出典:Amazon
るろうに剣心がおすすめの人
- 主人公に絶対的な魅力のある作品が読みたい
- ストーリーに神展開を求めている
- 安易に善悪を決めない内容が好き
漫画ファンならご存知「るろ剣」をご紹介。剣客アクション漫画として確固たる地位を築いた名作だ。私は漫画ファンの友人が多いが、「るろ剣はつまらない」という人に出会ったことがない。
90年代の漫画ではあるが、令和になって読んでも面白いと思う。決して思い出補正などではなく、いち漫画として評価できる内容だ。
そこで今回は、なぜこんなに面白いのか。剣客アクション漫画の金字塔たる理由を考察してみた。読む分に支障が出ない程度のネタばれを含みつつまとめる。
「るろうに剣心 ―明治剣客浪漫譚―」のストーリー
幕末に「人斬り抜刀斎」として恐れられた伝説の剣客・緋村剣心。明治維新後は、その剣で人を殺さないことを誓う。刀も逆刃刀という、人を切れない刀を愛用。
流浪人として旅をする中で、新たな仲間と出会い、過去に向き合うなど新しい時代における生き方を模索していく。
また剣客アクションとして、かつてのライバルとの宿命の戦いなどが巻き起こるなどバトルシーンは見どころ。非常に画力が高いため、バトル描写の迫力はすごい。
人斬り抜刀斎という「過去に向き合う男」の魅力
©るろうに剣心 和月伸宏
るろ剣が面白いのは、主人公に絶対的なカッコよさがあるからだ。サブキャラが輝くことで面白くなる漫画は多いが、本作はとにかく剣心ありき。
しかも「ただただ強い主人公」を描いているわけではなく、過去には仕事とは言え、人を殺しまくっていた人物。この過去に向き合いながら今を必死に生きようとする姿がいい。
「もう人は殺さない」と決めているものだから、当然死線をくぐるような戦いでは不利になってくる。ただハンデを背負ってでも、本気で切らないと誓った姿が魅力。
仲間を傷つけられて人斬り抜刀斎に戻りそうになったりもするが、そこに葛藤している剣心が好きだ。優しい男の部分と、人斬りの二面性が剣心にはあるが、和月氏の画力で雰囲気をガラリと変えることができるのも素晴らしい。
京都編が漫画史に残る神展開
るろうに剣心読みたくなってきた😌
一番擦り切れるまで読んだ漫画やなぁ😌— ナカジマ タクミ (@LeadOsakaSnow) June 29, 2020
名作には必ずと言っていいほど名シーンや名展開がある。るろ剣においては、京都編がまさに神展開。未だにワクワクさせられるため、読み返しても飽きない流れだ。
斎藤一との宿命バトルによって度肝を抜かれ、四乃森蒼紫や十本刀との死闘。志々雄真という最高のボス。これら京都編に関して一例を挙げたが、どこを読んでも最高に熱い戦いになっている。
剣心VS志々雄が面白いというより、剣心の仲間と志々雄一派の抗争になっているからなんだろうね。誰か一人でも欠けてはいけない、ギリギリの戦いがここにある。
ただデメリットというか。京都編が面白すぎた影響が出てしまった。次の人誅編で失速したように見えてしまったのだけど、これは仕方がないとも言える(苦笑)
安易に善悪を押し付けない考え方
少年漫画なので、シンプルに善悪を描いてもいいと思うのだけど、そうしなかったのも「るろ剣」の良いところだ。
例えば志々雄真は、ただむちゃくちゃにしてやろうと活動しているわけでもなく。自分を裏切り火を放った国に対する復讐の念が生み出したものだったり。
雪代縁にしても、姉を殺されたことに対する復讐心がきっかけだったり。敵として悪いやつだと描きつつも、そこに至るまでの過程を描くことで、「悪いやつにも理由がある」という言い分を残した。
みんな自分の中にある正義に忠実だからこそ、避けられない戦いがあったりとストーリーに重さを付け加えるのも非常に上手い。子供時代より、大人になって読むとより発見が増えるのだ。