出典:Amazon
ぐらんばがおすすめの人
- 押切蓮介の描くバトルが好きな人
- 漫画史上、最強のババアを探している人
- ストーリー進行よりアクションシーンが好き
主人公のババア(85)がめちゃくちゃ強い作品なのだけど、この強さが抜きん出ていて面白い。思い返せば漫画史上における最強ババアと言っても過言ではない。
私は押切蓮介作品として買ったが、どういうストーリーかも無視していたので、驚かされる内容ではあった。いい意味、悪い意味どちらも込み込みで(苦笑)
ジャンルはなんだろう。SFサバイバルファンタジーバトルとでも言えばいいだろうか。複数の世界観が入り乱れているように思うが、それが魅力とも言えるババア無双ここにあり。
「ぐらんば」のストーリー
©ぐらんば 幻冬舎
主人公・山路八重は85歳。周囲の村人からは、先立たれた夫を殺した疑いをかけられ、嫌がらせされながらも日々を過ごしていた。
そんな八重はある日、山中で山菜を摘んでいるところを熊に襲われてしまう。逃げる最中、崖から転落してしまい気絶。目覚めた八重の前に立ちはだかったのは、謎のバケモノだった。
終始ハイテンションなババア無双
今度は漫画の紹介をする。ぐらんば(作:押切蓮介)という作品があるんだがこの漫画は読後「何かよくわからないけど凄い物を見てしまった」という気分になる作品。何から何まで全てばぶっ飛んだ物語。
— fote (@fote7) January 11, 2018
村八分にされる可哀そうなおばあさんという最悪なスタートから、気がつけばバケモノと必至に戦うという展開に。
このギャップに少し戸惑った。理由として、「さっきまで普通に山菜を売ってたじゃないか」という気持ちの中、まるで人が変わったかのように描かれているから。
動きも格闘マンガさながらにハイテンション。これ、ここだけかと思ったら、終始続くのだからびっくり。もはやババア無双のための作品。
しかし戦いぶりはかっこよく、作者の描く漫画としてはかなりキレイな作画。デジタルで描いてるのか、私の知っている押切蓮介作とは一味違ったレベルにあった。
漫画史上、最強のババアと言っても過言ではない。途中からSFファンタジーバトル的な流れも加わるので、どんな戦いぶりを見せてくれるのか楽しみにして欲しい。
押切蓮介を理由に読むなら2回は読め
ちなみに、私は1周目は少しがっかりした。押切蓮介という作家買いしたので、ストーリーはそれなりに作られているのであろうと期待していたからだ。
だが蓋を開けてみれば至ってシンプルなストーリー。ババアの敵は〇〇で、この敵とのやり取りのみにスポットを当ててバトルが繰り広げられる。
これだと少し、押切作品にしては単純じゃないかと思ってしまった。ただ、2周目を読むとストーリーが入ってくるし、けっこう良い作品だったじゃないかと気づく。
そもそも押切氏は、バイオレンスや格闘シーンを得意とする作家。本作は十分にバイオレンスバトルを堪能させてくれる。
「ハイスコアガール」や「焔の眼」といった、作り込まれたストーリーを期待しすぎていた私が悪かったのだ。押切氏に何を求めるかで、本作の評価は変わると思う。
どっかで見たような気がするのに感動のラスト
ラストの描き方が良かった。映画や漫画など、どこかで使われているような。そんな気持ちにさせられるのだけど、本作にはこのラストがベスト。(ドラゴンボールの〇〇がやってたアレとかw)
無敵ババアの最後がどうなるかは、読んでいる最中に気になり始めるし、まとめ方によっては駄作になる可能性もあったので随分攻めたなと。
ちょっと笑わせにかかっているところもあるので、涙するという感じではないのだが・・それでも感動してしまった。一人のババアの生死をかけた壮絶バトルにおける最高のフィナーレ。
総合的には押切蓮介ファン向けだと思うので試し読みは必須(苦笑)