それでも歩は寄せてくるがおすすめの人
- 先輩(女)×後輩(男)の関係性で描くラブコメが好き
- 両思いの男女によるモドカシイ恋模様を探している
- 女の子がタジタジになるシーン多めを希望
作者の代表作に「からかい上手の高木さん」という漫画があるが、内容としてはその逆を突いている。高木さんでは男子がタジタジだが、本作は女子が照れまくりのシーン多め。
もちろん男子・歩もヒロイン・うるしに照れるのだけど、ポーカーフェイスなので全体を見るとやはり女子が照れまくるのだ。赤面や動揺する姿が可愛く、うるしを全力で応援したくなって読者まで悶えるだろう。
ちなみに一般的な連載作だと1話20P前後を使うが、本作はおおよそ半分以下のページ数。男女の日常的やり取りを凝縮することで、より恋のもどかしさを演出する上手さがあった。
「それでも歩は寄せてくる」のストーリー
©それでも歩は寄せてくる 講談社
主人公・田中歩は高校1年生。初心者ながら将棋部に所属しており、同じ部の先輩であるヒロイン・八乙女うるしに恋していた。歩は告白を考えているが、将棋で勝った時だと心に決めている。
うるしもまた、歩に対して好印象を抱いており、歩の大胆な発言や態度にタジタジとなっている。赤面させられたり、心的な動揺を起こすが分かりやすい女の子。
お互いに気持ちはある物の、交際には至らないモドカシイ恋模様。
「何気ない日常のやり取り」が幸せのすべてだ
本作は将棋部で起こる男女の、何気ない日常でのやり取りを描いている。この何気なさ、恋をしている男女に取っては中学、高校くらいだと心臓バクドキ。
歳を重ねると恋の感覚さえ忘れてしまうので、本作を読むほど「あの頃」を懐かしく思ってしまう。思春期は好きな異性と会話しただけで憤死しそうなこともあるので(笑)
幸せな日常というのはまさに本作のようなことだろう。歩とうるし、両思いであるがそこを発展させないところが良い。(もちろん、作品が進展するとわからない意味も含む)
「将棋部」「男女二人」といった限定されたシチュエーションだが、この制限があるからこそキュンキュンさせられることは間違いない。
ヒロイン・うるしの可愛らしさ
「それでも歩は寄せてくる」の
八乙女うるしセンパイが死ぬ程可愛いので全巻買ったら死ぬ程可愛かったので満足です pic.twitter.com/EaSLFjg4JK— シュピラー (@k11250922) April 24, 2020
歩の言動によって、うるしの色んな反応が見れるのが良い。語彙力があればこの良さをもっと語れるのだが・・。彼女が慌てふためく様子が可愛く、主人公の歩がどうでも良くなるくらい(笑)
私が男性ということもあるだろう。一般的に、好きな子を前にした男というのは弱くなる。照れるしガチガチに緊張するし。
しかしこの点で、歩はポーカーフェイスであまり感情が外に出ない。だからこそ、うるしが照れてしまったり顔が真っ赤になったりする様子が強調されている。
歩に対して「先輩として上から行きたい」という、うるしの1歳お姉さん設定もいい具合。ほぼ変わらないのに、1歳上というだけで色んな意味で先輩面したくなる年頃だよね。
新キャラ登場やストーリー変動あり
将棋部での二人が続くのかなと思いきや。新キャラとして歩&うるし以外にも、恋をしている男女が出てきたりもする。こちらもまた、付き合う前の恋模様が描かれているわけだが。
文化祭や体育祭といったイベントも出てくるなど、マンネリ化させないようなストーリー変動もちゃんとある。
それにしても、作者の妄想力はすごい。これだけ様々な胸キュン模様を量産できるとは。ある意味で、作者はまだ中高生として生きているような気がしてならない。