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あやつり左近がおすすめの人
- 画力の高い推理モノが読みたい
- 殺人事件を解決する話が好き
- 不気味な雰囲気の中で推理を楽しみたい
少年ジャンプで連載されていた当時は、正直読んでいなかった。後に小畑健氏がブレイクして、後追いで読むことに。推理作品になるが、画力はとても高く、さすが小畑健氏と言える。
当時は推理漫画が立て続けに連載されており、92年の金田一少年。94年の名探偵コナン。そして95年に本作がジャンプに登場した流れだ。本作は打ち切りになったけど・・。
やや金田一の後追い的な印象が拭えないが、たまには違った推理漫画を読みたい方に向けて紹介しておく。
「人形草紙あやつり左近」のストーリー
©人形草紙あやつり左近 集英社
人形遣いである主人公・橘左近が、自身の操る童人形・右近を相棒に事件解決をしていく推理漫画。
左近のみだと推理できないが、右近を操ることで冷静になり、天才的な洞察力を発揮する。様々な場所で右近を操ることになるが、これに対して周りも受け入れている。(一部、突っ込まれているが)
事件は殺人が多く、小畑健氏の画力もあって少し※残酷な描写もある。※雰囲気で脅かしている側面もあり
金田一少年や名探偵コナンのパターンが好きな人向け
今日は久しぶりにあやつり左近読んで幸せだった。再開しないかな……。
— Matsuki *** (@liliput) August 28, 2009
シンプルな推理漫画と呼べる点に、殺人事件が起こってからの犯人探しという流れがお約束。
最初の事件もこのパターンで「この中に犯人がいる!」という例の犯人探し展開でスタート。金田一少年の事件簿が好きな人なら、作風的に似ている点も多いため面白いはず。
コナンでいうところの毛利小五郎の役割(代わりに推理)も、右近というあやつり人形を通すことで似ている。金田一少年、コナンを好む人にはパターンとして向いているだろう。
終始「不気味さ」が目立つ作風
失礼ながら、左近が事あるごとに右近を使わないといけないのも不気味に思った。作中設定とは言え、いつも人形を持ち出し、急に腹話術を始めるというのはちょっと・・。
漫画だとわかっていても、リアリティの面で考えるともう少しやり方があったようにも思う。
殺人展開は画力もあり、いい不気味さが表現できていた。登場人物、舞台、セリフ、雰囲気がきれいに揃うので、いかにも「これからヤバいことが起こりますよ」を期待させてくれる。
主役が不気味、展開も不気味。不気味は、作品のイメージでもあるため大事にしているように思う。
ストーリー施策が打てていれば違ったかも
いつ打ち切りになっても良いように、単行本に収まるような話数で事件を扱っている。そのため、ストーリー的に考えると、毎回事件を解決しているだけという風にも取れてしまう。
もう少しストーリーの軸となるような、大きな問題や展開を伏線に落とし込めていたら違ったかもしれない。
少年ジャンプなので、アンケート次第ではいつ打ち切りになってもいいように組み立てないといけなかったので仕方がないのかもしれないが。
「殺人事件が起こった」からの「一人二役で解決」の流れだけだと、推理好きな人以外にはウケが悪いように思う。
金田一もコナンも読んでいて、他にサクッと読める推理漫画を探し中という方にのみ伝えたい作品。