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山本さんちのねこの話がおすすめの人
- 飼い猫あるあるを楽しみたい人
- 動物エッセイ漫画を探している人
- 通常ページの漫画と8コマ漫画どちらも好き
シンプルに描かれる猫が可愛らしく、山本さほ氏の絵柄との相性がいい。作者が猫を拾って育てた体験を動物エッセイとして描いている。
収まることを知らない猫ブーム。誰が読んでも、猫好きなら確実に楽しめるであろう作品。飼い猫あるあるとも言えるトラブルの連発に笑った。
ちなみに、通常の漫画のようにコマ割りされているのは序盤のみ。途中から8コマに変わっていくので、苦手じゃない人向けとも言える。内容としては安定しているので気にするほどではなかったが。
「山本さんちのねこの話」のストーリー
©山本さんちのねこの話 小学館
作者である山本さほ氏が、雨の中で拾った猫・トルコとの日常を漫画化。もともと犬派である作者が、猫も好きになっていく。
トルコの行動を観察した、飼い猫あるあるとも言える内容。相手によって態度を変えたり、気分によって作者に近づいたり離れたり。猫の生態をほんわかに伝えている。
猫アレルギーでも飼うことに衝撃
読んでみて思ったのは、作者が猫アレルギーによる喘息を起こしたことだ。普通、病気が発動するなら飼う選択肢は早々に捨てるものだと思っていたので(苦笑)
なぜなら、私も犬猫アレルギーで小学校の頃に動物を触って、持病の喘息を悪化させた経験があるからだ。これにより、動物を飼うという選択は幼心に無理だと把握。
しかし作者は、猫愛が飼ってしまい、多少苦しくても良いという選択を取る。それだけトルコが可愛かったことが伝わってくるし、作者の性格的な部分も知れて面白かった。
犬猫アレルギーは一般的に多いと思うので、ひょっとするとしんどくても愛が勝って、作者と同じ様に飼ってる人が多いのかなと。いずれにせよ、作者からもトルコからも幸せを感じた。
猫視点でのコメディ化がうまい
『山本さんちのねこの話』読んだ。作者の飼い猫との出会いや日常生活を描いた猫エッセイ。山本先生のシンプルで可愛らしい絵柄と動物エッセイの相性良いなぁ。基本8コマ漫画構成の日常編もテンポ、見せ方ともに分かりやすくて読みやすい。動物あるあるエッセイ好きにオススメ。
— さつま (@satsuma0122) March 12, 2017
猫の考えていることなんて分かるわけがないのだけど、わからないなりに行動に人間的な思考をつけて面白くしている。動物エッセイとコメディ要素が混ざっているのだ。
「愛嬌抜群でサービス精神の旺盛な猫」を描きつつも、実は良い子ぶりっ子してる風なところもある的な(笑)子供たちをトルコは面倒な存在にしているところとか。
私も小学校の頃、猫をからかってみたりしたが、猫にしてみればいい迷惑だ。そう考えると、トルコの行動にも納得がいく。
あらゆる場面でトルコは動き回るのだけど、まるで作者がトルコに入ったかのような。そんな視点で読めてしまうからこそ面白い。
トルコが可愛く描かれるのは、作者が親バカだからではない。巻末にトルコの写真もある
気になるところとしては、「トルコ可愛いよトルコ」で読者が置いてけぼりにされないかだ。大抵の猫は可愛いとしながらも、自分の飼っている猫になるとより可愛く見えるのは当然の話。
山本氏は終始、トルコの可愛さを描くが、どれくらい可愛いのか。そこは読んでいて、私は「いうて普通の猫では?」と思ったりもしたのだけど(苦笑)
しかし、巻末でトルコの写真を用意しており見せてもらえる。ちゃっかり三毛猫が写っており、確かにビジュアルを見るに可愛い猫だった。
これらのことから、決して親バカ目線で見ているわけでもないと感じた次第。犬派だった作者だが、猫も好きになってしまった話には説得力がある。