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北斗の拳がおすすめの人
- 弱者を虐げる悪キャラを成敗するヒーロー好き
- 雑魚キャラがどんどんやられる爽快感を得たい
- 名言や名シーンを語る読後の楽しみも欲しい
「こんな世界に住むことになったらどうしよう」と妄想を抱かせる作品がたまにある。漫画としてそれだけ迫力があり、かつ面白いからこそ想像するのだけど本作もその一つ。
ただ北斗の拳には、絶対に住みたくないと思わされるだけの恐怖や不安感が渦巻く。読者をこんなに暗い気持ちにさせる漫画もそうないのだ。
それにも関わらず、私は本作を圧倒的に支持し続けている。弱者を虐げる卑劣な悪人たちを、完膚なきまでに叩き潰すヒーローが頼もしいからだ。敵をフルボッコする爽快感が素晴らしい。
「北斗の拳」のストーリー
©北斗の拳 集英社
西暦199X年、地球は核の炎に包まれた。これにより、国家は機能を失い暴力が支配する世界へと変わる。力なき弱者は、物資や命を奪われながらも耐えて生きるしかない。
そんな世界に現れたのが、北斗神拳の伝承者ケンシロウ。ケンシロウには、ユリアという許嫁がいた。
しかしユリアは、ケンシロウの親友で南斗聖拳の継承者シンに奪われてしまう。ユリアを取り戻すべく、ケンシロウは旅をする中で現れるライバルと戦うことになる。
弱肉強食の恐怖感とケンシロウの安心感
おれ父の影響で北斗の拳好きなんだけど同じ年代で北斗の拳好きな人出会ったことねえんだが、漫画貸したらみんなハマりやがるのできっと北斗の拳は全世代イケる
— かちこ🌾⚡️ (@Katsuko_08) September 1, 2020
もはや説明するまでもなく「ヒャッハー」な世界。警察もなければお金もない。ただただ力だけが正義の弱肉強食ワールドなので、とにかく弱い者は酷い目に合わされる。
当時は小学生ながらに「残酷だな」という思いで読んでいたが、お約束としてピンチにはケンシロウがやってくるという安心感はあった。
さすがに少年誌掲載の作品なので、ガチの胸糞まではいかないギリギリを攻めているところがまた良い(笑)今読んでも胸糞に思うところはあるが、悪は成敗されるという公式があることが重要。
漫画だけど実社会が崩壊したらこんなになるのかなと。力だけで支配する世界像たるものがあるなら、こうなるんだろうなと思わされる恐怖感とのバランスが良い。
普通、悪人キャラの存在を良しとは思わないのだけど、「次はどんな悪いやつが出てくるんだろう」と本作にだけは適度に求めてしまう私がいた。
敵キャラがたまらなく個性的
好きになるキャラは絶対に出てくる。私が好きなのは、アミバやサウザーだ。アミバはとある人物になりすまし、「病人を治療する」と適当なことを言い秘孔を突くワル。
「こいつはすげえ悪いやつだ」と子供ながらに思ったけれども、アミバのラストは子供心にいいシーンとして残っている。まあ、ケンシロウがやっつけるんだけど爽快感あり(笑)
サウザーも書いちゃうとネタばれしちゃうので触れる程度だが、北斗の拳のテーマとも言える「愛」に苦しんだ一人。ただの拳法&暴力マンガじゃないので、よりキャラに個性が出てくる。
「好きなキャラがー」と言い出すと、雑魚キャラすらも愛おしい。めちゃくちゃ身体がでかくて、一般市民との体格差の比率がおかしくてw
「力あるものが全て」という世界観を誇張するためとは言え、もはや同じ人間じゃないと思えるキャラまでいるのが好き。
読み終えても楽しみが残る「名言」「名シーン」の存在
2020年の現在も、北斗の拳は語られている。そこには、作中で登場する「名言」や「名シーン」の影響があるのだ。
あれが良かった、ここが面白かった。こういう話が出来るのは、それだけ北斗の拳という作品にインパクトのある描写が多いからこそ。
劇画で描かれているのも大きい。今読むと、少し古いマンガにも見えるのだけど、劇画だからこそ伝わる説得力。
「汚物は消毒」とか、特にボスじゃない雑魚キャラのシーンだけど、それでも名言として今に繋がっているわけなので(笑)後半は前半に比べて勢いが失速するので、神作品に認定できないが面白さは絶対的。