サスペンス

「PLUTO」ロボットが感情を持つことは幸せなのか

プルートゥ

出典:Amazon

総合評価 C (まずはお試し読みで判断)

PLUTOがおすすめの人

  • 手塚治虫のファン
  • 感情を持つロボットの物語が読みたい
  • 近未来的なSFサスペンス作品を探している

「ロボットが感情を持つ」という設定はあるあるだが、手塚治虫氏の作品をリメイクしたのでそこをゴチャゴチャいうつもりはない。そして、その感情が美しく描かれており作者の上手さがあった。

人間とほぼ変わらないビジュアルのロボットなので、感情があることで苦悩している姿を見ると気の毒に思う場面も。感情を持つことが進化なのか、それとも不必要なことなのか

個人的には、このロボットたちは幸せなのかなという印象が残った。反戦テーマも入っていたりするので若干のしつこさを感じる人もいるかと。手塚&浦沢ファンなら納得だと思うが人は選ぶはず。

「PLUTO」のストーリー

©PLUTO 小学館

人間とロボットが共存している社会。世界最高水準の能力を持つ7体のロボットが、次々と何者かに破壊される事件が起こった。

7体のロボットのうち一人である、刑事・ゲジヒトは一連の事件捜査を開始。情報として入っている謎のロボット・プルートゥの正体を追いかけることに。

手塚治虫氏の「鉄腕アトム」に収録されているエピソード「史上最大のロボット」が原案。本作は、浦沢直樹氏によるアレンジを含めたリメイク作として描かれている。

ロボットたちにおける感情のやり取りが秀逸

人間の感情をロボットにしっかり投影させ、喜怒哀楽の要素が描かれている。ロボットに感情を持たせることをどう表現するかだが、ロボットなのに涙が流れたり、悲しさを感じ取ったり。

感情を表すセリフに「人間はこんな時に泣くのだ」みたいな説明文を入れるのだけど。表情も上手く描いており、解説されてる感をあまり感じず読むことができた。

結果的にロボットたちのやり場のない感情に、同情する部分も出ちゃったりするのだけど。人との間に壁があるのだけど、自分がロボットだと理解した上で、人間の感情が分かるって切ないじゃないかと

もはや人間たちだけしか本作にはいなかったと思うほど、それだけ感情演出のやり取りは秀逸だった。

もう少し浦沢氏がでしゃばっても良かったのでは

イラク戦争における反戦テーマも入っているようで。確かに、憎しみや復讐は何も生まないというメッセージがこれでもかとやってくる。

この部分にはしつこさを感じてしまったのも事実。ロボットの戦いだったり、アトムの存在だったり。もう少しメッセージ性以外で、例えばビジュアル的なインパクトを増やす描写などが欲しかったかな。

「説教臭く感じる」という意見も見かけたが、作品の伏線部分などにそこまで大きな意外性がなかったのも影響しているのだろう

もちろん、浦沢氏のリメイクによって出しゃばり過ぎず。かといって、爪痕を残さないとコラボの意味がないので難しいところだったことは理解できる。

浦沢氏に求められるレベルも高くなりすぎていて、「あの浦沢直樹が描くならこれくらい」という基準が読者にもある。「勝手にハードルを上げるな」と言われそうだが・・。

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