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カリスマがおすすめの人
- カルト教団を描いた作品が読みたい
- エログロなど過激描写は入れて欲しい
- どんでん返しを期待している
新堂冬樹氏の小説を漫画化している。カルト教団を描いた作品で、悪い宗教団体に騙されている人や家族をメインにストーリー展開される。
私自身は宗教とは無縁だが、小学校6年の時に地下鉄サリン事件が起こった。この事件後は、メディアでオウムを始めとした宗教が大きく扱われてきたことで宗教団体に関心を持つように。
カルト教団あるあるというというべきか。作中で描かれている内容は、よくあるカルトの実態をモチーフにしていると思われる。関心のある方は問題なく面白いはずだ。
「カリスマ」は洗脳・マインドコントロールの怖さがよく分かる漫画
©カリスマ 双葉社
カリスマって漫画がめちゃくちゃ面白かった
自分は宗教になんて興味ない、騙されないなんて思っていたけど、そういう人間ほど危ないんかもな— みきてぃ。@虫棒ハンター (@Hemo5079) April 11, 2015
自分は洗脳されない、マインドコントロールは無縁という方に読んで欲しい。カルト教団にハマる人を描いているが、その人達が決しておかしいとも思えないのだ。
心の弱みにつけこまれ、タイミング悪く心身がつらい時期に出会ったことでハマっていく流れなどはリアル。元気なときだと笑ってはねのけられるが、人のメンタリティの不完全さが客観的に描かれていていい。
カルトを描くに当たって、洗脳までの過程をきっちり描いているのは、読者に対して危機感を抱かせる意味にもなる。宗教だと思わせない勧誘から始まるところなど、普通は気づきにくいよねと・・。
カルトを象徴する強欲教祖のせいで起こるエログロ
全ては強欲教祖のせいで、多くの人の人生がめちゃくちゃになるのだけど。でもカルト教団の教祖ならば、欲にまみれてないと教祖じゃないというか(苦笑)
この手のカルト教団事件にありがちな展開だが、女性信者を囲っているパターンが描かれている。性のはけ口にされているとは信者は思わないし、それっぽい理由をつけて行為を求めたり。
完全に信用している信者であればまだ救われるところもあるが、女性側が違和感を覚えつつも求められている描写もあるので切ない。それでも「教祖様だから・・」という思考が勝つのだろう。
エロとグロの描写があるが、絵で表現する分だけ生々しい。原作が書かれた時代を考えると、オウムの事件を参考にしているのだろう。強欲教祖サイテー。
衝撃のラストまでの伏線
展開的には全く読めておらず、最終巻になって「あ・・この漫画はこういう話だったのか」という衝撃が待っている。伏線の上手さも相まって、私には衝撃のラストだった。
本作は、カルト教団の話として紹介してきたが、その取り巻きで動く人も多く描かれている。脱退させたい家族や支援者、教団内の人物など、あらゆる人達が登場するので面白い。
シンプルに極悪教祖を描くだけだと、読後に残る物も少なかったはず。全4巻と短いながら、ボリューム的な満足度でいうなら10巻分くらいはあると肌感覚で感じた。
それにしても、宗教をテーマに作品を作るのは難しいなと思わされるばかり。
宗教はダークな部分で描かないと展開しづらいというか。宗教の素晴らしさを説いた作品だと、それはそれで逆に怪しすぎて笑えなくなるような。。いずれにせよ、カリスマは面白かったと伝えたい。