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すこしふしぎな小松さんがおすすめの人
- SF小説が好き
- SF読者ガチ勢のことを知りたい
- 男子に興味がないオタク女子が好き
SF小説が大好きな女の子(小松さん)の物語なのだけど、「これぞオタク」という振る舞いを見せてくれるところが非常に良い。
ビジュアルも可愛いメガネっ子で、SF小説への情熱と無邪気さを見ているだけで好きになってしまった。よっぽどのことがないと、男性読者はこの子を1話で好きになると思う。
「小説」ではなく「SF小説」に特化しているところは、作者の趣味もあったのだろうけど、ガチ勢感を出せていて素晴らしい。
「すこしふしぎな小松さん」のストーリー
「すこしふしぎな小松さん」大井昌和 著
本屋に行って青背・紫背の文庫本に反応される方は面白いSF小説好き「あるある」的なドタバタコメディー漫画
少しどころかなり変わった性格の女子高生がSF小説の魅力を語ってくれます
SF小説を読んでみたいと思うこと必至 pic.twitter.com/OLWcuDseqJ— YAMADA (@AD_yamada) April 26, 2020
主人公・小松さんはSF小説が大好きな女子高生。彼女の日常はSF小説三昧で、何をするにも小説と一緒。
そんな小松さんに好意を寄せるクラスメートの宮内くん。小松さんとの接点を持つため、SF小説を通して関わることに。
小松さんによる「SF小説がいかに面白いか」という熱弁。また、宮内くんとの付かず離れずの関係を楽しむドタバタコメディ。
ガチ勢オタクあるある
©すこしふしぎな小松さん 白泉社
SF小説に詳しい小松さんの面白さは、その謙遜ぶりである。私は全くSF小説に詳しくないため、作中の宮内くんの目線で読んでいた。(宮内くんもSF小説がよくわからない人)
詳しいんだねと小松さんに伝えても、「私なんか〇〇も読んでないし、△△も挫折したし」といったことを言う。ガチ勢オタクにありがちな、「自分なんか」のハードルがめっちゃ高い(笑)
小松さん以外にもSF好きの人が出てくるが、会話を読んでいても何を言っているかわからないし、やはりガチ勢の話なのだ。
だけど読んでいて苦痛を感じることはない。読んでも読まなくてもいいようなプロットを組んでいる。
そのためSF小説が好きなら文字を全て追えばいいし、よくわからない人なら軽く目を通すだけでスルーできる。小松さんが一生懸命に語る姿がとても可愛い。
SF小説の凄さを伝える雰囲気で十分読める。
ラブコメ要素もあるけど、男子に興味がない女子を描くのが良い
徹底して小松さんはSF小説のことばかりに意識を向けている。これはそういう性格というか、今はまだ男子と女子がどうこうの話に興味がない状態を指していて。
自分の世界にある小説だけを追い、そこにたまたま宮内くんがいるという状況にしか捉えていない小松さん。
男子に興味がないというのも私が好きなポイントで、小松さんの無邪気さに癒やされた。色気を出して男子を意識していると、オタクっぷりを隠そうとしたり、本来の彼女らしさが出なくなる。
私自身が、好きな物に没頭している女性が好きだからなのだろうか。とても魅力的な女性に思えて、小松さんを応援してしまう。
1巻で終わってしまう物足りなさ
もう少し話は広げられたように思うのだけど。1巻で完結しており、もっと読みたい欲が残ったままだ。打ち切りか、予定通りの終了なのかも不明だが。
他方で、漫画としては1巻でキレイに完結するので、申し分はない。ただただ、個人の感想としてもっと読みたいという気持ちになった。
時間がないけど、サクッと読めるドタバタコメディをお探しの方はぜひ。