推理・事件

「学糾法廷」がなぜ不評だったのかを考察してみた

学糾法廷

出典:Amazon

総合評価 C (まずはお試し読みで判断)

学糾法廷がおすすめの人

  • 弁護士モノが好き
  • 推理やトリックが出てくる作品が読みたい
  • 子供らしさの出ている事件がみたい

不評意見が多く、あまり世間には評価されなかった作品である。私はそこまで面白くないとは思わないのだけど。

小学生弁護士が主人公で、学校で起こり得る事件を解決していくストーリー。子供らしさを全面に押し出し、ゆるい事件を作り上げており、悪い内容ではなかった。

ただ、3巻で打ち切られたのは事実であり、私自身も途中で「ちょっとこれは飽きたかも」と感じる部分があったのも確かだ。推理やトリック好きにはいいのだろうけど、なぜジャンプ連載で不評だったのか考察してみた。

「学糾法廷」のストーリー

小学校内で起こる問題を、学級裁判という形で解決していく推理作品。「学級法廷制度」というシステムにより、大人は入れず子供たちだけで裁判を行う。

主人公は犬神暴狗という小学生弁護士。犬神の活躍や、ライバル弁護士、クラスメートたちとの間で起こりゆく事件に立ち向かう。

人気推理漫画に対抗するための奇抜なスタイル

©学糾法廷 集英社

漫画ファンなら推理漫画の1つや2つは読んでいることだろう。そこには、名探偵コナンや金田一少年の事件簿という名作が存在しているはず。

そう考えると、推理を全面にプッシュした本作では、どうしてもパンチが弱いと言わざるをえない。私は全て単行本まで買って読んでいるが、推理系がよっぽど好きじゃないと、子供たちの事件だけでは飽きるかも。

例えば「水槽の魚を殺したのは誰なのか」が1話の事件なのだけど、露骨に子供向けな展開になることは予想できる。

「人が死ぬ→推理→解決」が王道の推理漫画なので、ここを打ち破るには本作のような奇抜なスタイルで攻める必要があったのだろう

事件解決後も、小学校が舞台なので後味よくイイ話にしている節もある。私個人としては、このストーリーが嫌いではない。子供の起こす事件なので、刺激が少ない言われたらそれまでだが・・。

原作と作画が分かれたがゆえに、情報量の多い作品になっている

普通、原作と作画が分かれると相乗効果で面白くなるはずだ。しかし、本作の場合、まず原作が凝っていて、大きなストーリーに「血の学級会の真相」という事件を追うテーマがある。

この大きな軸テーマを描きつつ、学級トラブルも面白くなるよう展開するため、かなり情報量の多い話となっている。元々推理作品なので、解説なども増えがちなので読者負担はおのずと増えていく。

そこに小畑健氏のキレイな作画なので、視界に入ってくる情報量の多さに疲れてしまう感じも・・。私も最初は、小学生時代にこんな光景もあったなと懐かしみつつ、そこに事件が起こるのでワクワクしたのだけど。

読み進めていくうちに、少々の疲れや飽きが出てきてしまった。サクッと読みたい方や、バトルなど文字が少なくどんどん読み進めるのが好きな人には苦痛かもしれない。

実際、原作となった読み切りが3巻に収録されているが、失礼ながら絵はそこまで上手くない。ただし、上手くない分ストーリーに集中できるとも言える。

ストーリー全体としては微妙ながら、企画としては面白い

コナンや金田一少年など「殺人トリックを見破る」という推理作品の王道から考えると、退屈に思うかもしれない。

ただ、企画としては面白いと思う。推理分野への挑戦が伝わってくるし、私のような推理系のファンなら読み応えも感じる。

欠点として、大きなストーリーを楽しもうと思うと微妙だけど。ラストについては最初に決めており、その通りに持っていけたと原作者は言っているのだけど。私としては、本当かな?と思うほど拍子抜けでもあった。

企画としては面白いので、純粋に推理&トリックを見破るのが好きな人向けだ

学糾法廷 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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