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闇金ウシジマくんがおすすめの人
- 借金生活に陥った人に興味がある
- 裏社会やアウトロー作品が好き
- 実際に起こった凄惨な事件モノが好き
センセーショナルな内容で世間に注目された作品。ドラマや映画といった実写作品としても知名度が広がったので、全く聞いたことがないという人はいないだろう。
闇金でお金を借りた人にどんな末路が待っているのかというテーマを、エピソードごとに描いているため読みやすさも抜群。全部読まなくても1~2巻だけでも楽しめる、ちょうどいい娯楽とも言えるだろう。
意外な話なのだけど、本作のファンには女性も多い。女性が借金返済のために売られたりとひどい目に遭うシーンも多いのだけど。漫画としての評価の高さが伺える。
「闇金ウシジマくん」のストーリー
©闇金ウシジマくん 小学館
主たるストーリーは、主人公・丑嶋の経営する「カウカウファイナンス」からお金を借りた人たちの借金生活。「10日で利息5割」の暴利闇金から借りるくらいの人たちなので、なかなか厳しい状況に追い込まれた人たちばかり。
実際の貸し手と借り手に取材しつつ作品にしていることもあり、大げさな表現に見えつつもそこにリアリティを感じさせられる。
ハッピーエンドが見えにくく、高確率でみんな不幸になっていく。救いのない借金地獄禄とも言うべき作品。
借金生活に陥る人たちのどうしようもない世界
Kindleでなんとなく闇金ウシジマくんを買ったのですが、一冊でやめようと思ったら面白かったので二冊、三冊と買ってしまいました。ただ本当にダメな人がピタゴラ装置的にダメになる漫画なので、これ読むのやばいな…と自制しました。
— 北大西洋条約さくら (@MValdegamas) November 17, 2019
本作に出てくる人たちは、言い方としては適切ではないがどうしようもない世界に生きる人たちだ。10日で5割の利息を払うことになろうと、今この瞬間にお金が借りられるなら飛びつく。
一般社会に生きているけれど、その裏ルートを生きていると言うべきか。とにかくどうしようもない状況に堕ちていく。
「お金が必要な人たち」という共通項はあるものの、ヤンキーだったり、ニートだったり、会社員だったり。彼ら普通に生きている人たちがお金に困ってどうしようもないことになっている。
お金に余裕のない人が借りていくので返済もままならない。借金取りである丑嶋らを始めとしたヤバい連中に追い込まれるが、この追い込みもエグい。
見れそうで見れない人たちを覗き見るような。そんな面白さがウシジマくんにはある。
裏社会、アウトローの世界観
ただ闇金で暴利を取って稼ぐというだけの漫画ではない。丑嶋たちにも、天敵なる存在が出てくる。丑嶋に恨みを持つ不良軍団や、逮捕歴のある者。またヤクザなど裏社会のキャラが続々登場する。
「借金取りの丑嶋」は確かに怖い存在で、連載当初は鬼だなと思っていたのだけど。丑嶋もまた、裏社会に足を突っ込んでいるので頻繁に狙われることがある。
暴力に次ぐ暴力で、加害者でもあり被害者にもなるため、丑嶋=悪といった単純な描写でストーリーは進まないのだ。
逆に言うと、丑嶋はお金さえ返せばメリットにならないことはしない人物。怖いのは、お金にもならないただ暴力を振るい、警察に捕まろうと関係ない存在のキャラたちだ。
危険人物がこんなにいる世界には行きたくない。闇金の怖さは、誇張であれ本作くらいの描き方で知らしめる方が社会的には役立つ気がする(苦笑)
実際に起った事件をモチーフにしている部分もある
本作の中には、実際の事件やトラブルをモチーフにしているところもある。「フリーエージェント」編では、与沢翼がモデルになった人物が存在していたり。
有名な話だと、北九州・連続監禁殺人事件。「洗脳くん」編で描かれる内容は、まさにこの事件そのものを描いた。
借金と関係性があるのかというと微妙なところだが、どんな事件もウシジマくんの世界観にマッチしてしまうところが怖い。
ホストにつぎこんで借金する女性なども、たびたびニュースで報じられるが、普通にありえるトラブルを描いているとも言える。実際にあるからこそ、興味を掻き立ててくる。
連載は終わっているが、定期的に読み切りでも描いて欲しくなる作品だった。ネタバレ防止で触れにくいが、終盤の流れはどうかなという意味でAランク認定にした。完璧ではないが名作だ。