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恋のツキがおすすめの人
- ダメなヒロインがいていいと思う人
- 浮気、不倫からの恋作品を探している
- 独身アラサー女性の不安を読みたい
漫画の出来事なのに、本気で気持ち悪いと激怒されるダメヒロインが登場する作品(笑)私はあくまで漫画という作り話であり、フィクションなのでむしろ楽しんだが。
ダメっぷりについては後述するが、私の場合「こういう人がいたとしても別におかしくはないよね」という性格なので面白いと受け入れられるのだろう。
「浮気や不倫が許せない!」とか「漫画だろうと倫理観のないキャラには怒る!」という人だけは読まないように注意喚起しておく。
「恋のツキ」のストーリー
©恋のツキ 講談社
主人公・ワコ(31)は、彼氏であるふうくんと同棲3年目。結婚を考えるも、マンネリ化していて踏み出せない関係が続いていた。
そんな時、バイト先の映画館に来ていた客である高校生・イコ(15)と出会う。イコが落とした学生証を返すために再開したワコとイコが急接近していくストーリー。
ちょうど芸能界で不倫が盛大に叩かれていた時期に連載されていたこともあってか、ワコに嫌悪感を抱く人もかなり出ていた。
ワコの「ダメヒロイン」っぷりは人間味があって良い
アラサーで交際4年、同棲3年の彼がいながら、高校生の男の子に乗り換えるのは一種のギャンブルでもあるのだけど。「それ浮気やん?」という話になるので、お世辞にも称賛されることではない。
ただ、人は必ずしも倫理観や正義を貫き通せるわけではない。擁護するが、ワコも先の関係性が見えにくい彼氏・ふうくんに失望しているところがあった。
そこに現れたイコは王子様にも見えるだろうし、ある意味で大人として成熟していないワコには今を変えるチャンスだったとも言える。
私は男だが、もう結婚をいい加減に考えなければいけない時期だから・・という理由で選ばれたら、ふうくんの立場として、それはそれでショックだ。
ダメヒロインの称号を背負うワコだが、彼女を通して「これも人間だよね」ということが伝わってくるので読み応えに繋がる。
男女逆なら問題になる関係
問題は浮気というより、ワコ(31)とイコ(15)の年齢的な面での関係だろう。さすがに18歳以下の未成年に手を出すアラサーというのは、今の時代ではアウト判定。
ただ、性別の問題でワコが女性という点だ。これは賛否があるところだが、男目線で考えると別に悪くないのではと思ってしまう(苦笑)
ワコもイコを束縛するわけでもなく、自由恋愛の範囲だと思う。身体の関係を持とうとも、リスクがあるのは女性のほうが大きい。
「あなたみたいな考えの人がいるから、未成年者と成人の犯罪がなくならない!」と言われるかもだが。この二人に関しては、彼らなりの青春を楽しんでいる。
私がワコの立場なら、逆に遊ばれてすぐに捨てられる道しか見えないけれど。ちなみに、ラストがどうなるかは本当にギリギリまでわからない展開。(ネタバレ回避のため言及しない)
独身のアラサー女性には共感する点も多数ある
「恋のツキ」4巻。
長年同棲している彼氏がいるアラサー女子が15歳の高校生と出会ってしまい、2人の間で揺れるドロドロ劇場。もはや日本のホラー映画より怖くて、独りで読んだら寝れない作品になってきた(褒め言葉)。
この辛すぎる現実と、なんだかんだ甘いワコが未来の自分のようで怖い…。 pic.twitter.com/c5O7ihzrBk— よにだ日々漫画 (@yonidamanga) December 30, 2017
ちなみに、ワコはダメヒロインながら、共感されるポイントも多く持っている。
- アラサー31歳という年齢で結婚の選択を焦っている
- 今カレ、新しい彼氏と、どちらと付き合っても見えにくい将来
- 仕事面でどう生きていけば良いのか心配
作中で「一人で孤独に生きていくかもしれない」という不安を抱くシーンが出てくる。
女性特有の悩みと断言はできないが、「独身でこのまま一人なのでは」という不安は、多くのアラサー独身者の悩みであることは確か。
そんな彼女が、自由に生きる様を描く漫画でもあるため、ちょっと不味いこと(浮気、未成年彼氏)があっても許せる部分もあるのだ。普通ならできないことを、ワコはやっているという思いもあったり。
ダメヒロインっぷりも含めて、彼女の物語を楽しめる。