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うみべの女の子がおすすめの人
- 思春期男女の不完全さが好き
- 中高生時代で性体験をしている人
- エロ漫画ではなくエロティック漫画を探している人
中学2年生の男女が中心となる作品だが、セックスシーンの多さに衝撃を受けた。いくらメディアで若者の性が進んでいると言われても、自身の経験と重ね合わせるからだ。
特に私の場合、好きな異性の話をするのも苦手だったタイプ。それが中2男女が付き合いもせずセックスに明け暮れるなんて・・。「中学生のセフレって何?」となるに決まっている。
そんな思春期男女の物語だが、心理描写はまだ大人になりきれていない不完全性が見え隠れして上手い。場面によってはエロ漫画的にも見えるが、総合的にはエロティック作だと私は思う。
「うみべの女の子」のストーリー
久々にうみべの女の子読んだ。
あたしが持ってる中で1番胸が苦しくなる漫画。
恋人が死ぬ、とかよりずっと切ない。 pic.twitter.com/SQOAeYhTO2— おがおがいがー (@ogaoga_sc) January 10, 2017
中学2年生の佐藤小梅は、好きだったイケメン先輩・三崎に遊ばれて振られてしまう。そんな小梅に好意を寄せる、同級生の磯部恵介。磯辺はすでに1年時に告白していたがはっきりしない関係。
しかし小梅は振られたあてつけに、磯辺と体の関係を持つようになる。交際関係なしでセフレとなった二人の揺れ動く想いを描いた思春期恋愛作。
エロ漫画というかエロティック漫画
エロ漫画ではないけど生々しい描写。どんな読者も性描写には目を引きつけられるので、そういう意味で考えるなら序盤から惜しみなくセックスシーンがあるのは納得。
同じ青年向けの作品でも、性に関する扱い方は天地の差が生まれるので。私の中で本作は、エロ漫画的な印象を受けつつも、エロティック漫画に入るという感想。
その心として、男性が喜ぶエロというよりも、雰囲気を重視しているというべきだろうか。エロ描写が強い作品は、人に紹介する際にそれなりのハードルがあるのだけど。
本作はそういったハードルは薄まるエロが描かれている。特に「思春期男女」という設定での関係。エロ描写に入るやり取りを含めると、成人作品とて見慣れない斬新さがあった。
思春期における不完全さにリアリティ
©うみべの女の子 太田出版
思春期の男女だけあって、小梅も磯辺も人間的に不完全さがある。「いや、大人だろうと大半の人は不完全でしょ」という、話せば深くなるような話は置いておいて。
中2くらいの年齢でセフレ関係になってしまうと、本作で描かれるような微妙な関係になっちゃうんだろうなと。好いた惚れたで始まるはずの男女関係が、本能のままに突っ走るわけなので。
もちろん、大人になるほど事情ができていきなりセフレみたいなのは分かるのだけど。一定の経験を積んだ大人たちと、思春期のセフレではまるで違うものになるだろう。
実際、小梅と磯辺の心境が揺れ動くのだけど、ここが妙にリアリティを持っていた。割り切った関係になんて、中学生がなれるわけもなければ、気持ちに変化が起こらない保証もない。
中学生セフレの二人がどうなるのか。特に磯辺のことは同じ男として、そうなってしまう展開に理解できてしまったり。小梅も少しだけど、「やっぱり女子だな」って思わされるんだよね。
ただの中学生セフレ日記で収まらない
セフレとして、とにかくセックスをしてるがちゃんと物語として終わらせに行っている。ラストに向けて動き、ただのセフレ日記に収まらない。当たり前だがオチはつく。
少しネタバレだけど、磯辺が自身&小梅のためにとある行動を取るのが良かった。ストーリー上、小梅は男性目線で見るとかなり可哀想な感じもしていたので・・。
たとえ小梅自身の選んだ行動であっても、かなり遊ばれちゃったんだよなと。利用されちゃったんだよなと。こういう部分が、磯辺によって少し拭われた気がする。