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みゆきがおすすめの人
- 妹萌えのラブコメが読みたい
- 基本的に1話で完結する作風が好き
- 80年代の雰囲気を感じてみたい
「血の繋がりのない兄妹」という関係をラブコメ化した作品。「妹萌え」なるジャンルがまだ確立していなかった1980年に連載が始まっており、あだち充氏の先見の明に恐れ入る。
あだち充作品と言えば野球テーマを思い浮かべるが、野球どころかスポーツが一切ないストーリー。それにも関わらず人気は高い。
ただ、私としてはそこまで面白いかと言われると微妙。これは好みがかなり影響する作品だよな・・という感想に着地した。理由も述べておく。
「みゆき」のストーリー
©みゆき 小学館
主人公である若松真人と、血の繋がりのない妹・若松みゆき。そして真人の憧れる同級生・鹿島みゆきの3角関係ラブコメ。みゆきという名前が二人に当てられておりWヒロインとなる。
若松みゆきと二人だけの生活を送る中で意識をし始める真人。同時に憧れの鹿島みゆきも意識する真人。優柔不断な男と、Wヒロインの物語。
分かりやすい昭和80年代のラブコメ
あだち充の『みゆき』が面白い。生まれる前に完結しているけれど、この物語は普遍的だと思う。つくづく感じることは、生まれてくる時代を誤ったということ。この時代のものが妙に懐かしく感じられる。
— Taisuke Azuma (@takekaiju) October 9, 2012
私がみゆきを読んだのは、令和に入ってからである。その影響もあってか、かなり時代を感じさせる内容に衝撃を受けた。
若松みゆきが可愛いため、20歳近く年の離れた教師が口説いていたり。鹿島みゆきの父である安二郎も、みゆきをナンパして接近し続けたり。昭和だからこそ!という雰囲気がビシビシ伝わる。実際、教師と生徒の結婚ってあったしね。
対して鹿島みゆき。これぞ昭和のラブコメと言わんばかりに、事あるごとに真人をビンタする出だしが面白い。このビンタによる拒絶態度。ラブコメ感が満載だ。
鹿島みゆきはすごく男性に対して潔癖なのだけど、お父さんは例の若松みゆきを追いかける警察という・・。すごい世界(笑)
1話完結タイプで淡々としており真の評価はラストまで下せない
あだち充作品はどれも評価が高く、本作も同様に「あだち充の傑作」として崇められている場面に出くわす。しかし私の評価はそこまで高くない。
理由として、ストーリーがとても淡々としている点にあった。若松真人が、二人のみゆきに対してどっちつかずな展開をメインに描いているからだ。
片方を圧倒的に贔屓しては作品が成り立たないので、主人公を優柔不断にさせているのだと思うが・・。そのため、中だるみを感じたりと、面白みという点で欠ける。
1話で完結するような話も多いため、よりそう思うのかもしれない。ただ、この優柔不断なやり取りの中で、真人が本当の気持ちや答えを模索しているのも事実だ。
私自身も、ラストになってようやくこの漫画の答えを見られたので納得しており、同時に感動も得ている。真の評価という意味で、ラストまで読まないと分からない漫画だ。
シンプルすぎるので、もっと中盤で大きく展開を動かす何かが欲しいのは否めない。恋のライバルの存在もあるが、予想しやすい流れだったので・・。
自身に置き換えると想像しづらい漫画でもある
妹萌ジャンルは私は基本的に興味がないことも、本作のレビューに影響している。やはり妹というか、家族を恋愛対象と見るということに現実味がないと言うか。私は男ばかりの兄弟で育ったので尚更(苦笑)
血の繋がりがなければ問題ないのだけど、それを含めても若干の違和感は残る。あだち充氏が描いているので、ドロドロ感は全く無いのだけど。現実に置き換えた時に、すんなり入ってくるかどうかが重要。
以上の理由から、私の評価はCとさせて頂いた。あだち充ファンなんだけどね(汗)読者を選ぶかと。