野球

「タッチ」和也の死というネタばれは序章に過ぎない

タッチ

出典:Amazon

総合評価 A (めちゃくちゃ面白い)

タッチがおすすめの人

  • 甲子園を目指す球児たちのストーリーが好き
  • 和也の死を含むネタばれを理由に読んでいない人
  • 他の漫画家には描けない手法を使う恋愛漫画が読みたい

全くタッチを読んでいない人でも、「和也が死ぬ」というショッキングなことが起こるストーリーはご存知だと思う。アニメ名場面などの番組があれば必ず扱われるため、私も読まずしてこの出来事は知っていた。

そのため、「タッチはすでにネタばれされているから、いまさら読んでもな・・」と考え2020年になるまで読んでいなかった。「いつかは読もう」と先延ばしにしてきた結果だ。

しかしタッチを読み終えて思う。和也の死は、タッチという作品における序章に過ぎず、むしろ死んでからが本番だった。和也の死が壮大なネタばれと考え避けている人ほど読むべき名作

「タッチ」のストーリー

双子の兄・上杉達也と弟・上杉和也。そして隣に住む同い年の浅倉南。この3人は物心つく前から行動を共にしてきた幼馴染。

「南を甲子園につれていく」という夢を叶えるため奮闘する和也は、野球部のエースとして活躍していた。一方、達也は努力を怠っており蚊帳の外。和也と南を遠くから見ている日々だった。

しかし和也は、不慮の事故で亡くなってしまう。達也はこの事故をきっかけに、和也と南の夢を背負い野球部で甲子園を目指す。野球&恋愛のスポーツラブコメ作。

「和也の死」という意外性を感じさせないストーリー

大きな誤解をしていたのだけど、「和也の死」は作中の早い段階で起こる出来事だと思っていた。それが読んでみると7巻までは、普通にラブコメとしてストーリー展開されているから驚き。

7巻まで達也と和也、そして南による3角関係による恋愛劇が進行しているため、分かっていても和也が死んだら悲しい。もしリアルタイムで読んでいたら衝撃としか言いようがない。

ここまでの展開を考えると、和也が死ぬというストーリーは思いつかない。それほど、ほのぼのしたラブコメストーリーからの転調が起こるため意外すぎる

しかも和也を死亡させることは、連載初期に考えていたというから凄い。「タッチ」は達也を指しているのではなく、「バトンタッチ」の意味という伏線というから驚きしか無い。

人間ドラマが各所に散りばめられている

©タッチ 小学館

タッチは、人間ドラマも各所に散りばめられているのが良かった。特に印象的なのは、柏葉監督のエピソード。

漫画的な意味で考えると、こういうキャラが必要になってくるであろうと分かるものの、「これで成立していくのか?」という不安もあった。

無茶苦茶やっている監督のようで、実はどれも明星学園には必要なことだらけという伏線。「明星が潰れてしまう」と思わせる流れでも、巡り巡って野球部の強化になっていたり。

柏葉の話はサブストーリー扱いなので知らなかったが、人間臭さでいうと一番リアリティもあって気になった一人だ。野球部と監督の関係性が変わっていくドラマも語り継がれるべき内容。

和也が亡くなり野球部に入ることになった達也を認めるまでの孝太郎とか。気持ちを語ることはないけど、呼び方が気がつくと「お前」から「達也」になってるんだから上手いわな。

色んな人の想いが交錯しており、主要キャラ以外に目を向けても楽しめるのが人気の理由だろう。

浅倉南の恋愛表現

名ヒロインとして知名度の高い浅倉南。彼女がどれくらい素敵な女性なのかという話だが、私が読んだ限り昭和だからこそウケたのではないかと思う(笑)

かなり達也に対して至れりつくせりで、マネージャーと言えど男性を下支えする良い女房みたいなところがある。男性が女性にあれこれしてもらう時代なのでウケは良いだろうね。

そして魔性チックなところがあり、達也への好意を予感させたり、ドキドキさせられるような言動を放つ部分も。それも、さりげないセリフに乗せてくるんだ。

とある場面で「達也がいないこと」でパワーダウンしてる南がいるんだけど、そういうところが可愛らしい。達也に会えばパワーアップという彼女のメンタリティを使ったあだち氏の表現力

これを1980年前後で描いてるんだから、あだち充氏は凄いとしか言いようがない。恋愛に関する表現手法は、現代で使ったとしても通用する普遍的な上手さだ。

「和也の死が壮大なネタばれ」だと考えてしまい、ずっと読まずに放置してたことは大きな損だったと読後に反省(汗)

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