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魔人探偵脳噛ネウロがおすすめの人
- リアルでなくSFやファンタジーの推理作が好き
- ギャグやコメディ調の作品が好き
- 張り巡らされた伏線や面白いストーリーを求める
SFファンタジー推理探偵作と呼べばいいだろうか。魔界からやってきたネウロが、次々と起こる事件の謎を解明していく。
絵が独特で、犯人が暴かれた際に見せる姿が脳裏に残ってしまう。リアルよりもギャグやコメディ調に仕上げている影響もあるので、ぜひ豹変する犯罪者をチェックして欲しい。
私に取っても連載当時は思い出のある作品。ハマってしまい、作中に出てくる「あかねちゃん」のストラップが今も家にある(笑)
「魔人探偵脳噛ネウロ」のストーリー
魔界に住んでいた魔神・脳噛ネウロは「謎」を食べて生きている。しかし魔界では謎を全て食べてしまい、食料がなくなったことで人間界にやってきた。
人間界で最初に見つけた謎は、女子高生・桂木弥子の父親が殺された事件。この事件を解決し謎を食べるため、弥子を探偵代わりに利用することに。以後、様々な事件に向き合っていく。
尚、ネウロは魔神であり人間ではないため、「魔界777ツ能力」を使い事件解決を図っていく。リアリティ路線というより、SFファンタジー推理漫画だ。
絵で表現する犯罪者の心理・思考描写が独特
©魔人探偵脳噛ネウロ 集英社
本作の大好きなところは、推理することよりも暴かれていく犯人たちの心理・思考描写だ。ここには作者のセンスを感じる。
普通の推理漫画では、人物の表情や心情を、「言葉」で表現するがネウロは違う。犯行を犯してしまう異常性を、目で見える形にすることで面白さの増幅に使っていた。「犯人が見つかりました終わり」ではないのだ。
人間のウラの顔となる醜い姿を、作者の画力で放出。本性を表した絵面にパンチが効いているので、ここでハマると病みつきになる。
名場面としてネット上でも犯人の豹変ぶりは話題になっており、ネウロを代表する名シーンが生まれていった。かくいう私も、この絵に惹き込まれた一人。
人によっては「絵が下手」という感想を持つ人もいるようだけど。作者の松井氏にしか描けないオリジナリティが私は気に入った。アーティステックな絵とも受け取っているのだ。
雪だるまを作るようなストーリーと伏線の秀逸さ
ネウロ、伏線が全て最後まで繋がってて、出会ったことに意味があって何かが残っているを物語自体で魅せ付けてきたのまーじで良かった。
— 堅魚/ (@kengyo7) December 7, 2019
「伏線の回収」も見事で、作中では色んなところに伏線を張っている。無意識にサクサク読んでいると気づきにくいところもあるのだけど(汗)秀逸な作りで、ストーリーに良いスパイスをふりかけた。
雪だるま式と言えばいいだろうか?小さな伏線が、徐々に大きくなっていることがストーリーの中に入り込んでいるのだ。ネウロと弥子の関係性や、物語に直結していくものまで多岐にわたる。
なぜここまで秀逸に作れたのかというと、作者曰く「いつ終わっても読者に納得されるように」と考えていたから。(後に単行本で語られている有名な話)
ネガティブなように聞こえるかもしれないが、連載を楽しみにしている読者に、作品として届けることに責任を感じていたのが松井氏だ。
最悪打ち切られても、その段階でベストな内容を追求していたからこそ、ネウロという完成度の高い作品が生まれたと言っても過言ではない。読後にも伏線探しできるなど、何倍も楽しめる。