出典:Amazon
ミュージアムがおすすめの人
- 異常な犯罪者が出てくる作品を探している
- 「セブン」や「SAW」といった映画が好き
- グロ&猟奇殺人など精神的に追い込まれても平気
おぞましい内容であるが故に読み手は選ぶものの、グロや猟奇殺人がテーマの作品に需要があるのも事実。「これは話題になる」と読んでいて思った。散々言われているけど、セブンやSAWといった映画が好きなら好まれる展開。
私はこの手の作品が好きで、漫画も映画も問わず見るので慣れているが。人によっては、精神的に追い込まれている感覚が出るため苦手な人はご注意。この圧迫感が本作のいいところだけど(苦笑)
表紙に不気味なカエル姿の人物が出ているが、これを考えた作者・巴亮介氏のセンスは一級品。人物を含め作画も上手いので、これからもっと描いて欲しい。
「ミュージアム」のストーリー
凌のオススメ漫画はこれ
ミュージアム
ヤンマガ連載、著者は巴亮介
蛙の被り物した男がとある関連性のある人物らを私刑に基づき殺害していく殺戮サスペンス
えぐいけどおもろいよ pic.twitter.com/BybhHoVCA1— 凌<重くんなう! (@sinogingin) January 23, 2014
家庭を顧みず仕事に没頭していた主人公・沢村久志。職業は警察官。ある日、生きたまま犬に食い殺された女性の事件を担当することになる。
犯人はカエルのマスクを被った男で、謎に包まれた人物。殺人の際には、「〇〇の刑」というメッセージを残しており深まっていく謎。
カエル男に殺された被害者の共通点を探っていると、「幼女樹脂詰め殺人」を担当した裁判官と裁判員であることが判明。この手がかりから捜査していく中で、次々に事件が起こりゆく。
殺人や死体描写がエグいが次が見たくなる
©ミュージアム 講談社
カエル男の残虐性、異常性ありきの漫画なので、作画的にも殺人や死体といった生々しい描写が入る。一言でいうとグロなんだけど、この残虐性に仕掛けがあるため次が見たくなる。
「犬に食い殺される女性」というショッキングな事件に始まるが、この事件に終わらない。次々に起こる「均等の愛の刑」、「針千本のますの刑」。どうなるか、関心がある人なら読んで欲しい。
トリッキーな殺害方法を使っているため、若干リアリティ路線ではありえない話になってくるが。
映画の「セブン」や「SAW」が好きな方なら問題なく面白い。ちなみに、グロといっても必要なところを描かれているのみ。しつこいくらいグロを押し付ける作品ではない。
気になる犯人は誰なのか。ストーリーも秀逸
物語の序盤でカエル男が出てくるも、その中の人はわからないまま話は進む。幼女樹脂詰め殺人の犯人は、裁判によって死刑になっており、この世にいないため、「じゃあ誰が犯人?」という疑問が残る。
私もこれについては考えながら読んでいたが、犯人の正体が分かった時には、「そういうことだったのか」と納得。
カエル姿のインパクトは強いが、踏み込んで犯人の心理状態や異常性など、しっかり伏線回収したのが良かった。
エンディングにおける多角的考察が面白い
ネタばれ部分には触れないが、本作のエンディングは分かりやすい回答を用意していない。ひたすら酷い事件を追ってきた漫画だが、ラストは読者の受け取り方で変わってくる。
色んな含みを持たせる漫画はあるが、この含みの持たせ方が上手かった。「絶対にラストは〇〇でないとダメ」という性格の人より、柔軟に読める人のほうがそういう意味で面白いはず。
ハッピーエンド、バッドエンドにこだわらない。この視点で考察していくと、ミュージアムという作品がいかに優れた作品かがお分かりいただけるだろう。名サスペンス漫画だ。