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ろくでなしBLUESがおすすめの人
- 不良に憧れている
- 喧嘩によるバトル漫画が好き
- 画力にうるさい人
あからさまな不良らしい不良をめっきり見かけなくなった。一部はいるのかもしれないけれど、間違いなく90年代をピークに減っていると思う。もはや漫画の世界的な(笑)
そんな不良たちを盛り上がったのが、森田まさのり氏の描いた本作である。東京を舞台にした不良漫画なのだけど、とにかく質が良くこれぞ不良漫画という不動の地位に君臨している。
高い画力によって担保されたゾクゾクする喧嘩を筆頭に、コミカルなギャグを入れつつ、青春もしっかり見れる。私は不良じゃなかったけど、さすがにこれを読むと不良に憧れたな(苦笑)
「ろくでなしBLUES」のストーリー
©ろくでなしBLUES 集英社
東京吉祥寺にある帝拳高校を中心としたヤンキー物語。タバコや喧嘩の光景は日常的で、不良たちの学園生活を描いている。他校のライバルとの喧嘩バトルが見どころ。
主人公は前田太尊だが、登場するキャラが多く、個々のキャラにフォーカスしたエピソード回も満載。ギャグを散りばめつつ楽しませるため、主要ストーリー以外も力が入っている。
青春らしく恋愛なども取り上げられるが、不良たちなのに純愛のような関係を築くなどギャップも楽しめる。
喧嘩をするには理由(わけ)がある
ただの不良による喧嘩漫画だったら、ろくブルはここまで評価しなかっただろう。作者の画力は高いので、不良漫画にありがちな喧嘩バトルばかりを描いていてもそこそこ面白かったはず。
しかし本作は、不良の喧嘩に対して大きな意味を持たせている。ただ強さを誇示し、いちばん強い番長探しをしている訳ではない。
彼ら不良たちの中に喧嘩をする動機があり、むやみやたらの暴力を繰り返しているわけでもない。仲間を守るためだったり、仲間に見捨てられたくない理由があったり。
冷酷で無慈悲な奴だなと思うようなキャラも、喧嘩の理由を知ることで人間味を感じたり。ここがただの不良漫画で終わらない、「ろくブル」というドラマだ。
画力で魅せる喧嘩バトルの質が高い
高校の頃に文庫版で初めてろくでなしBLUESを初めて読んで面白くて、絵柄真似しようとした記憶が。当然あんな化物じみた画力はないし劣化版にすらならなかったけど
— うっかり茶番劇 (@ukkari_cyaban) May 24, 2017
本作は不良高校生の喧嘩バトルが見どころ。生身の人間による殴り合いなので、ある意味で読者もまたその痛みを感じることにも繋がる。
剣や魔法の攻撃ならファンタジーの世界なので、仮にキャラが大打撃を受けたとしても「漫画だな」で終わるのだけど。ここは作者の画力も手伝って、読んでいるだけでこっちが痛い気がしてくる(苦笑)
そして喧嘩における舞台選びなども凝っていて、東京を舞台に色んなところで喧嘩が起こる。時には電車のホームなどを走り回り、時には公園で喧嘩したり。ロケ地が実在するのでよりリアルだ。
ボクシングやプロレスが好きな人なら、彼らの繰り出す必殺技に痺れるはず。漫画は絵だけで決まらないが、やはり森田氏の高い画力があってこそ成立する作品だと思い知らされた。
ちなみに最初は劇画チックで少し違和感を感じるかも。徐々に上手くなっていくのだけど、上達の速さにも驚かされた。
番外編「ろくでなしぶるーちゅ」も面白い
不定期ではあるが、スピンオフ作品として「ろくでなしぶるーちゅ」というギャグ漫画も掲載されていた。不定期連載されたショート作品なのだけど、作者のギャグセンスが詰まっており私は大好きだった。
2.5等身のキャラが可愛く、本編の雰囲気とは違い笑わせることを主体にしている作品。
迫力の喧嘩シーンをあれだけ描けているのに、ギャグ漫画としても面白いって才能の塊としか言いようがない。