恋愛・ラブコメ

「ハイスコアガール」は作者のゲーム愛が生んだ王道ラブコメ

ハイスコアガール

出典:Amazon

総合評価 S (殿堂入り)

ハイスコアガールがおすすめの人

  • 90年代の「格ゲー」ブームを楽しんだ人
  • 正統派の王道ラブコメが読みたい
  • しゃべらないヒロインに興味がある

すべてに置いてパーフェクトの一言に尽きる。90年代の格ゲーブームを背景にした、主人公・ハルオとヒロイン・晶の王道ラブコメ

作者自身が1979年生まれで、スト2を始めとした格ゲー世代。リアルタイムに生き、ゲーセンを愛した人が描いているからこそ、本作はより輝きを放ち世に送り出された。

もうレビューするまでもない。何も考えず読んでしまって問題なし。10巻と巻数も短いので、どういうタイミングでも手を出しやすいだろう。

ハイスコアガールの感想。面白かったポイント3つまとめ

個人的にはラブコメの中ではかなり上位。なかなか絞り切るのは難しいが、本作は間違いなく私の中では歴史を変えた作品だ。

どこが面白いのか、振り返りながらまとめてみる。

90年代の「格ゲー」ブームを覚えているか?

©ハイスコアガール スクウェア・エニックス

90年代を学生として過ごしていれば、格闘ゲームブームは嫌でも知っているだろう。特に格ゲーが好きでなくとも、アーケードゲームをやっていた同級生などは覚えているはず。

私も90年代に、小学生から高校まで通ったダイレクト世代。どケチであまりお金を使いたくなかったけれど、それでも格ゲーはやっていたし、SFCなどではスト2を友人と楽しんだ。

ハイスコアガールは、この90年代の少年少女に軸をおいており、ノスタルジックを楽しませてくれる。格ゲーが好きでなくとも、90年代に子供として過ごしていた世代には懐かしくて仕方がない。

男子の中で流行った遊びや、社会現象のことなど、主にゲームを中心に描かれている。「あー、こんなことあったな(笑)」という思い出に浸れるのも良かった。

正統派の王道ラブコメが読みたい

ゲームを介しているものの、ラブコメ要素としては王道である。ハルオがいかんせん恋愛に疎いが、その疎さがちょうどいい。晶がヒロインなのに全く喋らないが、お互いに恋愛面ではなかなか繋がれないもどかしさを深めている。

この関係が「少年少女の恋模様」に相応しく、小中高と彼らの成長とともに描写されていくのがたまらなく甘酸っぱい

もっとハルオが引っ張る頼りがいのある男なら展開も違うのだろうけど。よくありがちな、特に何がいいのかわからないゲーム狂の少年を、ヒロイン・晶が好きになるという流れはまさにラブコメの王道。

しかも、恋のライバルとしてもう一人のヒロイン・小春を用意してある。この子の存在がまた心を揺さぶって来るので、読み手もどちらのヒロインを応援すべきか悩む瞬間にぶち当たるのだ。

「沈黙のヒロイン」という難しさに挑んでいた

ちなみに、先述している通り、ヒロインである晶はほとんど話さない。別に喋れないというわけではないのだけど、ただ口では語らず態度や雰囲気をハルオに訴えかける子なのだ。

こういうと「沈黙のヒロインなんて」と思うかもしれない。しかし考えてみると、ラブコメ作品で基本的に話さないヒロインは少ない。

試みとして作者の挑戦であると同時に、読者もこの試みに対してついていく必要があったのだけど。連載開始時は、「あまりしゃべらないな」と思うも、気がつけばこの語らない沈黙の彼女が可愛く見えてくる。

口ではなく、ゲームを通して語るシーン。ラブコメだが、ゲーム場面を大切にしているからこそ、おのずとゲームで語らい合う場面も出てくる。

ハルオVS晶の関係はもちろん、晶VS小春も熱い。様々な場面に置ける演出がにくすぎて名作ラブコメの殿堂入りとする。

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