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ラブホの上野さんがおすすめの人
- 異性とのコミュニケーションが苦手な男性
- 巷の恋愛アドバイスに飽きている
- 恋愛指南の本を読みたいけど文字が苦手
恥ずかしながら、私は恋愛指南の本が好きで、よく読んでいる方だと思う。だいたい似通った内容になりがちで、切り口を変えて伝えている本が多いのだけど。
しかし、そんな恋愛指南本への刺客として、本作が世に出てきた。実在するラブホスタッフによる恋愛アドバイスを、ギャグテイストも交えつつ、漫画化という斬新な手段。
他にも恋愛指南の漫画はあるにはあるが、上から目線でズバズバ男性たちに助言するところが本作のいいところ。ちょうどいい笑いが入ることで、良質な漫画として楽しめた。
実在する「ラブホの上野さん」とは?
「ラブホの上野さん」の原案を書いているのは、ツイッター上でラブホスタッフとして発言しているインフルエンサーの上野氏。
なかなか目にすることのないラブホの裏事情や、恋愛ネタを投稿している中で出版が決まった。恋愛相談本なども漫画以外で出版しており、彼なりの解釈が展開されて面白い。
上記の相談本は、漫画ではなく恋愛相談コラムが読みたい人におすすめできる。ちなみに、私は漫画が面白かったので本も買った一人。独自の視点で恋愛に向き合っているところが気に入った。
異性とのコミュニケーションが苦手な男性に役立つ内容
©ラブホの上野さん KADOKAWA
漫画で描かれている内容を、実践的に使えるかどうかというと、行動を起こさないといけないことは確か。読めばできるなら、その人は最初から一定のコミュニケーションが取れているのだろう。
主に男性向けの漫画になるのだけど、異性とのコミュニケーションを取る際の指針になる部分が多い。上野さんは上から目線でSキャラなので、ちょっと苦手に感じる人もいるかもしれないが。
ありがちな男女間における場面が作中では描かれており、実際に「デートあるある」の場面に上野さんの解釈が入ってくる。
全て真似することは難しいけれど、漫画で学んだことを軸にしていけば、今の苦しいコミュニケーションよりは改善される可能性が高い。
巷の恋愛本はなぜ飽きるのか。ラブホの上野さんとの違いは?
巷に出ている恋愛本の多くは、当然ながら絵の描写がない。同じことを言っているようで、この「絵が入っているかどうか」で内容のイメージ把握に雲泥の差が生まれる。
では、テキスト恋愛マニュアルを読める人には必要ないのかと言うと、そういう話にもならない。テキストだと、ギャグや笑いの要素は限定されてしまう。
その点で上野さんは適度なギャグを放り込んでおり、緊張と緩和のバランスが上手く取れているのだ。真面目なシーンは真面目に。笑わせるところは笑わせるという具合。
それに加えて、ほぼ1話完結というペースで読ませてくれるのも魅力に繋がっている。漫画なので1話を読むことに苦痛はないし、大半が1話で完結するのでそもそも読むための時間がそんなに要らないというハードルの低さ。
1話で面白ければ、1冊を一気に読んでしまえるテンポの良さにも繋がる。これはテキストの恋愛本では、なかなか難しいものがあると私は感じていた。
ただし、ターゲットになるのは、恋愛を苦手に感じる20~30代男性向き。女性視点では役に立てづらいので、男性で興味がある方に読まれるべきだ。