恋愛・ラブコメ

「恋は雨上がりのように」おっさんの励みとなる17歳JKの恋物語

恋は雨上がりのように

出典:Amazon

恋は雨上がりのようにがおすすめの人

  • 女子高生のピュアな恋物語を探している人
  • 物事に挫折してしまい落ち込んでいる人
  • 青春を忘れ去った30代後半~40代の男性

女子高生(17)が、バイト先の男性店長(45)に恋する物語。設定的には現実離れし過ぎており、大半の人は「ありえねえ~」と思っちゃうんだろうけど。

かくいう私も、話題になっているからと読んだ当時は、「まあ普通に犯罪になるよねw」くらいの感覚しかなかった。年の差系の恋愛漫画なんていくらでもあるので。

ところが、本作を読み進めてしばらくすると、自然と女子高生と店長を応援している私がいた。私は年齢的に店長側だが、作品を通して励みをもらった。総じて文学的で美しい漫画なのだ。

「恋は雨上がりのように」のストーリー

©恋は雨上がりのように 小学館

主人公・橘あきらは女子高生(17)。アルバイト先のファミレスの店長である近藤正己(45)に密かなる想いを寄せていた。

そんな橘の店長への想いが、とある出来事をきっかけに強くなっていく。この17歳と45歳という年の差恋愛を描いた作品。

アラフォー読者の心をも締め付ける恋愛模様

恋愛漫画は描きつくされていると思っていた。私のようなアラフォー漫画ファンになると、このストーリーはどこかで見たなという気持ちになる。

恋愛作品なので、付き合うまでの過程をモヤモヤ描くんだろうなとか。最終的にくっついたり、結婚したりがゴールなんだろうなとか。

さすがに「どちらかを殺す」みたいな斜め上の展開でなければ、どう転んでも想定の範囲内。そういった感覚で読んでいたのだけど、本作は全く違うものだった。

まず橘あきらのストレートさ。不器用で変化球の無いタイプの子なのだけど、それが潔くて見ていて微笑ましくて。昭和的というか、駆け引きの概念がないのかと思うほどのピュアっぷり。

そして近藤店長だ。45歳が女子高生に好かれたらどうだろう。ましてや橘あきらは美人。近づこうものなら犯罪になるなと考えながらも、のたうち回る人も出てくるはず。

だけど近藤は、周囲からの目を気にする気持ちはありつつも、橘に大人として振る舞う。このやり取りのリアリティさや、読者の心を惹きつける心苦しさが気に入った。

散々、恋愛ストーリーを見てきた人ほど、心が締め付けられる感覚になるだろう

強い刺激を取り払った文学的な表現力

橘と店長には年齢差もあるので、展開によっては刺激的なシーンを想像するはず。そんなシーンが出てくるかどうかはネタバレになるので置いておくが、どう転んでも強い刺激となる表現は避けている。

天候や風景描写を小刻みに入れていることや、各キャラが物思いにふけるシーンなど。文学的な表現力とでも言えばいいだろうか。

「セリフで説明することはないけど、文学的にこのシーンを感じ取ってください」というメッセージ性がある。この表現力は作者のセンスでもあり、本作の最大の売りと言ってもいい

橘と店長以外にも恋愛している人たちがいて、そちらもまた切なくて。こんなに繊細な表現、なかなかお目にかかれないっす。

サブテーマに置かれた「挫折」の存在意義

「なぜ17歳が45歳のおっさんを好きに!?」は、誰もが思う疑問だろう。これについては、早い段階で読者に想起させる描写がある。

もともと橘は陸上をやっていたが、アキレス腱の大怪我を負っていた。そんなある日、病院帰りによったファミレスが近藤の店。つまり、怪我がなければ店長との出会いもなかった。

挫折して心が弱っている時に始まる恋。この挫折感と恋愛の気持ちを並行させているのも良い。恋愛と挫折のリンクが、結果的にラストを完璧な物にしているので

そんな挫折ストーリーにも心を揺さぶられた私は、むしろ本作を恋愛モノとして読まず、あえて励まし効果を狙って読んでも良いとさえ思った。

何かを諦めてしまった人、そして歳を重ねた人にほど刺さる。

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