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「Stand by me 描クえもん」とある漫画家に起こった理不尽な仕打ち

描クえもん

出典:Amazon

描クえもんがおすすめの人

  • 漫画出版の良くないウラ側をみたい
  • 漫画家が不利な立場に追いやられる話を見たい
  • 圧倒的な画力で描かれた作品が読みたい

作者の佐藤秀峰氏は、出版社との間でよくトラブルが起こっている。これは佐藤氏だからというわけではなく、シンプルに声を挙げられる人が少ないからだろう。

電子書籍が登場するまでは、漫画を世に送り出したければ出版社に頼るしかなかった。それ故に漫画家は立場的に弱く、理不尽な仕打ちを受けやすい環境だったことが想像できる

本作には、そんな理不尽な環境を示唆する内容が描かれている。もちろん、佐藤氏と出版社の言い分は違うだろう。ただ、漫画家から見た業界の歪みや是正すべき点に抜群のリアリティがある。この面白さは、佐藤氏だから描けるのだ。

「描クえもん」のストーリー

©描クえもん 佐藤漫画製作所

主人公は満賀描男。漫画家アシスタントとして働いているが、ある日を境に「未来の自分」を名乗る謎のおっさんが部屋に居座るようになる。

未来の自分というおっさんは、漫画家を目指すことを諦めるよう促したり、好きになった女性を諦めるようなにかとウザい。

しかし、そんな描男に連載のチャンスが訪れる。この連載を皮切りに、描男と出版社の間でトラブルが起こり始めた・・。

マンガ業界への問題提起

バチクソ面白いのは、佐藤氏という漫画制作サイドと出版サイドで意見がすれ違う点だ。漫画家は自分が面白いと思うものを描きたいに対し、出版は売ることに重きを置く。

趣味やサークル活動で運営されているわけではないので、売らなければいけないのはお互い理解しあっているのだろうけど・・。

出版サイドが連載終了を認めなかったり、描きたい物をなかなか描かせないという流れは問題だと思う。

私も過去にいくつも「あれ?ここでやめておけば良かったのでは?」と思う作品を読んでいるからだろう。しかしそこは大人の事情。カネに変わるなら、むしろ永遠に連載したい人たちがいるのも事実。

本作はこういった問題提起も含めて描かれている部分もあり、漫画家と出版社が歩み寄る一歩になればと思う。理不尽な思いをしている漫画家が声を上げた意味ある作品として評価したい。

圧巻の画力で作り上げるドキュメンタリー

画力が高いのも本作の魅力。漫画家の大変さや苦悩、睡眠時間もないほどに過酷な作業を強いられる雰囲気が見事だ。佐藤氏の画力だからこそ魅せることができる世界。

漫画制作の現場における追い込まれゆく空気感。編集サイドからかけられる圧力や理不尽な仕打ち。これらも、人物をあえて鬼のように描いて感情を揺さぶってくる。

また作中では、女性漫画家も出てくる。こちら、エロ要因でもあるのだけど、作画が上手すぎてアダルト系の漫画に見えることも(苦笑)

ストーリーは、もちろん漫画の面白さを左右する重要ファクターだ。ただ、この画力まで来ると絵を見るだけで十分なほど楽しめてしまう

漫画だけど漫画っぽくない作者自身のドキュメンタリー作品として磨き上げてきたなと感心させられた。

「漫画貧乏」を読むとより面白い

ちなみに、「漫画貧乏」という佐藤氏の著書を読むと、より理解も深まる。漫画家という仕事の過酷さや、賃金システム。出版社との間で起こったトラブルなど詳細が掲載されている。

何年も前に出版されているが、私は早い段階で読んでおり、いち漫画ファンとして衝撃だった。

もちろん、盲目的に佐藤氏の言い分を受け入れるわけではないが・・。特に面白いと思わない作品が謎の賞受賞をしていたり、終わり時を見失って惰性で続いているような漫画を見るたびに思うことがあるので。

描男を通して見えてくる漫画家ドラマは秀逸。

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