囲碁・将棋

「ヒカルの碁」より面白い漫画に出会ったことがない【稀代の名作】

ヒカルの碁

出典:Amazon

総合評価 S (殿堂入り)

ヒカルの碁がおすすめの人

  • ボードゲームが好きな人
  • 漫画は心理描写が重要だと思う人
  • 棋士のピリついた戦いを肌で感じたい人

もし「ヒカルの碁」を読んで、人生で2番目に面白い漫画だったと思う方がいるなら、おすすめの1番を教えて欲しい。ヒカ碁を最高に面白いと感じる人の更に上にある漫画を知りたいからだ。

自分はヒカ碁を、過去に読んできた漫画の中で1番面白いと思っている。もちろん、ジャンルに関係なく無差別級という意味で。

そんな、「ヒカルの碁より面白い漫画に出会ったことがない」というだけの根拠を示したいと思う。もう20年くらい前に連載されていた漫画だが、色褪せることのない稀代の名作として紹介する。

ヒカルの碁は「囲碁がわからない人たち」にも絶賛されている

ヒカルの碁を読む上でハードルとなるのは、テーマが「囲碁」という点だ。実際、自分も連載開始時にはジャンプを買っていたのに普通にスルーしていた・・。

「囲碁マンガ?うげぇ~・・囲碁なんかルールわからんし難しそう」という具合に避けてしまった。後に読み始めてからは、こんなにクソ面白いことを理解していればさっさと読んでいたのに!と後悔したものだ。

ジャンプにはグッズ応募企画などがあったのに、「囲碁わからないし・・」と無視してきた。この代償は大きかったと今でも思う。

ネット上で飛び交うヒカ碁批評には、キャッチフレーズのように次のようなコメントが出てくる。「囲碁のルールはよくわからないけど面白い」と。最高の褒め言葉だ。

大半の人は囲碁がわからないのだから、安心して読んで欲しい。わからない人たちに向けて描かれていると言っても過言ではない。

囲碁に全てをかけた人物たちの心理描写に魂が揺さぶられる

©ヒカルの碁 集英社

本作は、囲碁をテーマにしているだけあって、バトル漫画などに比べるとインパクトのある描写は少なめになる。そこで工夫されているのが、各キャラの心理描写だ。

主人公・ヒカルを始めとしたキャラたちはプロを目指す。しかし、狭き道であり誰でもプロになれないことは本人たちがよく理解している。

頑張って努力しても結果がでない。自分より強い人への嫉妬心。挫折と苦悩の日々。こういった描写が、より読者に感情移入を働きかけ、魂を揺さぶってくるのだ

物語中盤では、とある人物がヒカルに取り憑いた「佐為」と対局する。ヒカ碁の中でも、名勝負ランク上位に入る戦いなのだけど、この佐為の対局相手もまた熱い。

囲碁は幼き頃から打たなければ、トップの世界には行けない過酷な世界。この囲碁に人生をかけている人々の魂は圧巻だ。

囲碁がわからない人にも伝わる秀逸なストーリーセンス

本作は、ほったゆみ氏によるストーリー展開が素晴らしい。全く囲碁がわからない初心者としてヒカルを主人公に置き、読者との目線をしっかり合わせている。

囲碁のルールは漫画を読んだだけでは覚えられないが、上辺だけをさらっと説明しつつ、ヒカルと一緒に成長したかのように読ませる。(実際は打たないと覚えられないが、囲碁をわからないなりに楽しめるように錯覚させる上手さ)

ヒカルという主人公を通して、囲碁界の雰囲気もしっかり掴ませてくれるため、気後れすることがない。またそんな主人公を指南する佐為の存在で、トップ棋士との対局を横で見ているような感覚になる。

気がつけば、囲碁はわからないけど惹き込まれ、続きが気になって仕方がない漫画に。いかにストーリーが重要なのかを、ヒカルの碁は表現している。

静かな対局を画力でピリつかせる小畑健の演出力

本作はストーリーを作った、ほったゆみ氏はもちろん、作画担当の小畑健氏の画力があってこそ完成する。囲碁の対局なので、座って考えて打つという描写が淡々と進む。

この「普通の対局」を普通だからといって妥協はしない。小畑健という天才によって、棋士たちの勝たなければいけない一局の空気感を描き切られている。

シーンと静まり返った中で、相手の策にハマり焦る。上手く打てているようで、罠が潜んでいるのではないかと疑う緊張感。プレッシャーを与える心理戦。

漫画だからといって、対局を過度に演出すればやりすぎになるし、何もしなければ普通で終わる。頭脳戦のピリついた空気を、小畑健氏が演出することで成立しているのだ

囲碁を覚えると100点が200点の漫画に化ける

ちなみに、ヒカルの碁は連載時は空前の社会現象を起こしている。囲碁を打ってみたいという子供が溢れたのだ。それは、今も続いていて2020年の現在でも、碁会所に顔を出すと「ヒカルの碁を読んで興味を持った」という子に出会う。

自分も、ヒカ碁に影響を受けて囲碁を覚えた一人。ここで伝えたいのは、囲碁を覚えたことで、ヒカ碁を読み直すとより面白くなるという話。

「ヒカ碁は1番面白い」と冒頭で書いたが、囲碁を打ち始めてより理解が進み200点になった

ヒカ碁は梅沢由香里さん(現:吉原由香里)というプロ棋士の方が監修しているだけのことはある。実際の棋譜がヒカ碁では使われており、局面によって適切なセリフ・描写で面白さを再現してきた。

例えば「ヒカルと〇〇が打った碁はこれだった」とか、佐為の「右上隅小目」とか。ライバルの妙手など、囲碁を覚えていくほどヒカ碁の名場面を深く知る楽しみにも繋がる。

囲碁界の流れについても理解が進むので、ヒカ碁を読み返すたびに新たな発見にハマっていくばかり。まだまだ読み返して、何度でもずっと楽しみ続けたい。

ヒカルの碁 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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ほったゆみ, 小畑健
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