囲碁・将棋

「月下の棋士」俺TUEEE漫画かと思いきや勝負師の人生ドラマ

月下の棋士

出典:Amazon

総合評価 C (まずはお試し読みで判断)

月下の棋士がおすすめの人

  • 将棋界に興味関心のある人
  • 対局内容より棋士の人生テーマが好きな人
  • 非リアリティ路線であっても問題ない人

「将棋漫画の名作を読みたいな」と手にとったのが本作。物語の冒頭から、主人公・氷室の圧倒的な無敵感が描かれ「俺TUEEEww」的な漫画かなと思いきや。

棋士たちの生き様として、様々なライバルたちの勝負にかける思いが描かれている。私は将棋を全く指さないが、「棋士人生」がテーマゆえに読みやすかった。

ただし、内容は非リアリティ路線。将棋を指している人だと、ありえないという部分に意識が行くかも。私は幸い将棋を知らないこともあり勝負師ドラマに集中し読んだ

「月下の棋士」のストーリー

©月下の棋士 小学館

主人公は氷室将介。幼き頃から高知の港町で、祖父・御神三吉から将棋を学び育った。御神の遺言を胸に、プロ棋士を目指すべく上京。

奨励会への入会から昇級を目指していく中、宿命のライバルとなる名人・滝川幸次と出会う。氷室は名人を目指すべく、数多のライバルとの激闘を繰り広げていくストーリー。

勝利への執念を燃やす勝負師たち

勝ちこそ全ての世界。登場キャラたちは、各々の事情を背景に勝利に対して貪欲だ。対局に向かう姿勢や、対局中の姿が勝負師としていかなる負けも許されないことがヒシヒシ伝わる。

描き方は非リアリティ路線なので、ちょいとありえない流れも多いのだけど(笑)ただ、ネタ的に見えて、そこにある真剣さ空気の重たさの表現に妥協はなし。

私に将棋はわからないが、囲碁は好きなこともあり「棋士たちの生き様」が漫画的誇張をされていようと違和感はないと思った

スポーツと違い物理的な身体の酷使は無いが、メンタリティで考えると心身の酷使は行われている。「勝利しかない生き方」という、棋士の苦しい部分の描き方は難しいが、本作はよく出来ている。

序盤~中盤より、中盤~終盤が面白くなる理由

ちなみに、私は序盤はあまり面白いと思わなかった。理由として、「名人・滝川を打倒するために氷室が追いかける」という話が序盤早々でわかるから。「あれ?この雰囲気はラスボスがバレてるよね・・」と。

しかし、打倒・滝川ストーリーが次第に気にならなくなった。伏線として散りばめられていた、過去の出来事に始まり、負けていったキャラのその後を描いていたり

氷室の「俺つええww」も、強いライバルと戦うことで意外な結果に繋いでいたり。正直、対局前から勝敗が分かる作風だと思っていたが、月下の棋士はそうさせない。

一筋縄では行かないからこそ、月下の棋士がこれだけ支持されているんだろうなと。読めば読むほど理解できた。ただ、序盤は微妙だけど中盤~終盤まで我慢してと言いにくい巻数なのも事実・・。(全32巻)

対局中の表現は独特

本作は将棋漫画なので、まずは対局ありきだ。その対局だが、絶妙な間の取り方が上手く、文章を入れなくとも絵が語ってくれる。

それは時に官能的だったり、詩的な表現を使うことで成立したり。天候や季節を描き風情を感じさせる局面もある。対局シーンが多めとなる棋士漫画を、こういった形にし時間を流す工夫だろう。

また頻繁に出てくる「あと〇〇手で詰む」という予言が、北斗の拳の「お前はすでに死んでいる」を彷彿とさせるノリ。

心理戦として揺さぶる要素も大きいが、相手が何を指すか決める権利がある以上、さすがに非リアリティだなと感じた(苦笑)こういうノリが本作の味でもあるのだけど。

全32巻とそこそこ長いため「中盤まで読んで判断して」とは言いにくいが・・。数ある将棋漫画の中でも名作と言われたら、漫画評論家としては放置できないよねっと。

絵にクセがあったりと、かなり好みが割れそうなので評価としては試し読みからを推奨したい。

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