出典:Amazon
響がおすすめの人
- 小説を読まない人
- ぶっ飛んでるキャラが見たい
- 悪を成敗するスッキリ感を希望
2017年のマンガ大賞受賞作。小説家になる方法というサブタイトルだが、小説家を目指す人には何の参考にもならない(笑)だけどそこが良いところ。ぶっ飛んだ内容に面白さを感じた。
見どころになるのは、15歳の女子高生が自身の価値観や信念を強く持っているがゆえに、周りと衝突を繰り広げることだ。
15歳、女子高生、小説家とまるで暴力とは無縁の世界に生きているのに。気性の粗い暴れ馬が、どのように立ち振る舞っていくのかをひたすら楽しむべし。
「響 ~小説家になる方法~」のストーリー
©響 ~小説家になる方法~ 小学館
物語は、主人公・鮎喰響(15)が、自身の小説「お伽の庭」を出版社に送ったことから動き出す。
作品は編集者・花井ふみによって傑作であると評され出版へ向けたくも、匿名で送られていることで何も出来ない。
作者である響を探し出し、小説家として売り出すも、響自身の難しい性格と気性がネックとなり、トラブルが次々に起こってしまう。
小説が読みたくなる表現力
私は小説を全く読まないので、正直なところ小説の面白さを全く理解していない。過去に何度か読んだことがあるくらいで、積極的に読みたくなることもない。
しかし、本作はそういった小説未読の層にいいアプローチが出来ている。小説の面白さを伝えようと、小説への批評シーンを取り込んでいる。もちろん、何を言っているのか、よくわからないけど(苦笑)
ただ、「小説を読むことは面白い」というメッセージはしっかり詰まっている。読書をしたいけど、本を読む習慣もないという人には、いいきっかけになるとも言える。
逆に小説を読み倒している人にすると、雰囲気すごい小説を書いているということしか伝わらないので、微妙に感じるかもしれない(苦笑)
「とにかく響の小説がすごそう。そんなに小説って良いものなのか?」と思わせることが、小説業界も盛り上がり良いことだと思う。
響のぶっ飛んだキャラが全てを支配する
『響 小説家になる方法』1?6
事前に思っていた感じの作品とは丸きり違っていた、のみならず
響の言動はいつも私の想像のはるか斜め上をすっ飛んで行った…
何回びっくりさせられたことでしょう…
響には人を変える力があるし、響の小説もそうだけどこの漫画にも、読ませる力があるのだな。 pic.twitter.com/QhhVSe6zGG— 今日 (@729umare) April 19, 2017
本作は、響がいかにぶっ飛んでいるかを楽しむ漫画でもある。彼女の性格は、自身の正義や価値観を曲げず、時には意見を押し通すために暴力も振るう。
それもちょっと叩くとか、そういうレベルじゃないのだ。善悪の価値観で見れば、彼女は悪くないことが大半なのだけど、それでも実社会であればやり過ぎであることは確か。
実際漫画内でも、周りからあれこれ言われるのだけど。響のぶっ飛んだキャラは、そういった声を無視して突き進むことで成立している。
私の感想だと、彼女が暴れてくれることで、スッキリする部分が大きい。どういう理由があろうと、響の主張は正義なのだ。彼女の正義を貫くための手段が暴力なら、それも許されてもいいのではとすら思える(笑)
読者として、響のあばれっぷりをついつい応援してしまう。響は女子高生だが、昔ながらのヒーロー像が重なるのかもしれない。
マンガ大賞2017を取ったばかりに叩かれる現象も
ちなみに、レビュー評価を気にしている方がいるなら、あまり気にしない方が良いと伝えておく。例えばアマゾンだと、1巻のレビューが極端。
響の個性的なキャラもあってか、かなり割れているのだ。しかし、個人的にはマンガ大賞を受賞したことで注目が集まり、無駄に叩かれたなという印象。もちろん、面白くないと思うのは各々の価値観なので仕方がない。
その証拠として、2巻以降は5つ星評価が中心となっている。1巻で肌に合うかどうかを選別できるのも、本作の良いところだ。数巻は我慢して読んで欲しい作品もある中で、すぐに評価の下しやすい作風である。