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放課後ていぼう日誌がおすすめの人
- 釣りに興味関心がある人
- 初心者目線の釣り漫画が読みたい
- 釣り人あるあるや小ネタが読みたい
釣り熱が高まっている時に偶然見つけて読んだが、「流行りの男の趣味を女子高生がやるパターンか」と軽く見ていた。しかし読んでみると、釣り人をしっかり意識した内容になっていて驚く。
女子高生を全面に出しつつも、釣りあるあるや小ネタを描き、部活コメディとして成立。投げ釣りに穴釣り、エギングなど様々な体験を描くことで作品の幅も持たせている。
ただ、萌え絵が可愛いからと読んでも、釣りに興味がないと挫折するかも。そのため、釣り経験者は即買いOKも、未経験者やそこまで釣りに関心がなければ試し読みを推奨したい。
「放課後ていぼう日誌」のストーリー
©放課後ていぼう日誌 秋田書店
都会から海辺の街に引っ越してきた女子高生・鶴木陽渚。高校では手芸部に入ろうと決めていたが、「ていぼう部」の部長・黒岩悠希の強引な勧誘で入部することに・・。
釣り経験ゼロ、生き物が苦手な陽渚だが、部員たちとの活動を経て次第に釣りの楽しさに気づいていく。海釣りをメインとした女子高生4人たちの部活日常を描いている。
陽渚という初心者女子を通して届く「釣れる感動」
漫画『放課後ていぼう日誌』五感に訴えかけるのがうまいな。感覚を共有する楽しさがある。
— T6500 (@T6500) August 27, 2020
女子高生が釣りをするという、基本的にレアなケースを題材にしているため、主人公・陽渚を完全なる初心者にしている。そのため、初めての体験になることばかり。
ここは作品として上手いところで、陽渚を通して釣り経験のない人にも、初めて釣れる感動を共有することができる。
私はすでに釣りを経験しており、穴釣りやエギングをやるのだけど。釣れた時の興奮は、何回経験しても嬉しい依存性があるため、陽渚たちの感動が手に取るように分かるのだ。
もしこれが、釣り経験者向けの流れなら、そこまで面白くなかっただろう。魚が餌にかかった瞬間「はい、来たよ」なんて言われても、素人読者には何も響かない。
釣れる感動を見せ場に、初心者に「釣りってこんなに楽しいんですよ」というメッセージを届けるのは良い仕掛け。
漫画なので数ページで釣れているけど、それなりに時間をかけて釣った感じに描いている時間の動かし方もグッド。
適度な解説やレクチャーが漫画を通して学べる
「女子高生が釣りをする」という趣旨であるがゆえに、可愛い絵で攻めるのかと思いきや。ちゃんと釣りに必要なことを、適度に解説しつつレクチャーしているのは好感度に繋がった。
読んだ人にも、釣りはこうやるものだという知識になるので、やってみようかなと思う人の心的ハードルを下げる。同時に、経験者にはそうそう、釣り人あるあるだよなと思わせる。
エギング回などを見れば分かるが、本来わかっていればいいポイントを描いている。専門的に描いてしまうと、シャクリ方うんぬんで説明臭くなるところを、綺麗にまとめている感じだ。
あくまで女子高生が楽しく、そしてゆるく部活動をしている。そんな光景が描かれており、絵柄の可愛さが好きだったり、釣りに興味があれば読んでおいて損はない。
本作がヒットして、全国に釣り部が当たり前のように増えると面白いと思った。それでも女子はやる子が少ないと思うけど(笑)