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ファインダーがおすすめの人
- 写真撮影が好き
- マニアックなカメラ機材に関心がある
- 京都亀岡市を舞台にしたニッチな話が読みたい
「こち亀に登場する濃いキャラクターが、写真&京都亀岡を舞台に駆け回る!」このようなフレーズが浮かぶのが本作。
今やスマホで簡単に写真が取れる時代。一昔の重たいカメラや、フィルム式など想像がつかない人もいるのでは。そういったカメラを持った女子たちによるニッチな学園コメディ。
面白さを追求すると言うよりも、カメラ漫画を描きたい。京都亀岡を描きたいという作者の熱意が伝わってくる。「分かる人には分かる」という細かすぎるネタの側面もある。
「ファインダー -京都女学院物語-」のストーリー
©ファインダー 集英社
舞台は京都府亀岡市。同じ学校に通う4人組の女子高生たちが主人公。彼女らは写真部に所属している仲良しグループ。
京都や亀岡の魅力を、写真部の活動から発見していく。写真部を中心とした人物が濃く、コメディ漫画として描かれている。
秋本作品はキャラが濃くてこそ成立
秋本先生の新連載「ファインダー」読みました!
カメラ持つと人格変わるとか祭りの風景とか要所要所でこち亀の要素が出てきて面白い!
次の連載が楽しみだー!! pic.twitter.com/h7YWBP9Bgo— えんどう(ほぼ石井)@毎週金曜日は国立でコーヒー淹れてます (@shohey_doo) February 6, 2017
ひとまず「秋本治ファン」が主要ターゲットになるであろうことは想定されており、こち亀的な要素はしっかり踏襲している。
クセのある写真部の先輩たちが面白く、女子高生なのに戦場カメラマンを志望したり。新幹線専門の撮り鉄もいたり。
主人公であるタカコ・ツバメ・チドリ・スズメの4人は、至って普通の女子だ。だからこそ、濃い先輩たちとの関係にズレが生じて笑える部分もある。
ギャグをやるのではなく、キャラの存在そのものをネタにして見どころを作っているとも言えるだろう。女子高生を描いているだけあって、みんな可愛いのも良い。
4話しかないため、限られたキャラしか登場させられていないが、私は濃いキャラがあれこれやっているシーンが好きだ。やはり秋本作品はこういったキャラを使ってこそ輝く。
絞りすぎたネタであるが故に、ついていけない部分もある
ネックとなる点としては、かなり絞られたネタとなっていることだ。もし読者がカメラにも、京都にも興味がなければ少ししんどい部分もある。
私自身も、秋元氏のファンでなければ読んでいなかったであろうニッチな話なので(苦笑)カメラのうんちく、京都や亀岡など一定の人へのウケは確かだが、興味に左右される。
京都は都会的にバンバン遊ぶ場所というより、昔ながらの風情を楽しむ教養が必要というか。最低でも30代以降の年齢の人向けではないかと思うところも。
逆に、本作が描かれたことで舞台となった場所は聖地巡礼として観光客も増えているらしい。実際、秋元氏も観光大使に任命されたりと認められているのは事実。
例えば京都旅行は女性に人気があるので、女性が読んだほうが実は面白いのではないかと思ったりもする。私も京都の良さに気づけるだけの教養や感性を磨かねば(汗)