サスペンス

「生まれる価値のなかった自分がアンナのためにできるいくつかのこと」変態ロリ胸糞作

アンナ

出典:Amazon

総合評価 A (めちゃくちゃ面白い)

本作がおすすめの人

  • 大人から子供にタイムスリップで戻る設定の作品が読みたい
  • 胸糞ロリコンが出てきても構わない
  • タイトルを含めた伏線回収に関心がある

やたら長いタイトルが目を引くが、しっかりと内容も読ませるためタイトル負けはしていない。大人から子供に戻るタイムスリップ物が好きな人なら読む価値はあり。胸糞だけど(苦笑)

別ブログで本作レビューを綴ったこともあるが、「ロリコン漫画」で検索してくる人が多い。ロリコン漫画というか、私の中では胸糞系ジャンルなのだが。

主人公の気持ち悪さ、卑劣さを軽蔑しながら、ストーリー展開の移り変わりを楽しむべき。エグすぎて、Amazonでは取り扱いできなくなり作者も嘆いたほどの問題作

「生まれる価値のなかった自分がアンナのためにできるいくつかのこと」のストーリー

©生まれる価値のなかった自分がアンナのためにできるいくつかのこと 双葉社

2015年初夏。32歳無職の向井和也は、どうしようもない自堕落な生活を送っていた。そんな和也に、小学生時代の同級生・小杉京太、安田杏奈から結婚&妊娠の報告を受ける。

小学生時代、杏奈に恋心を寄せていた和也は自暴自棄となった。その結果、母校に忍び込んで変質行為に走ったところを警備員に見つかってしまう。

逃走の果に、屋上から転落し死亡。しかし、死んだと思った和也が目を覚ますと小学生時代にタイムスリップしていた。杏奈への想いが、小学生になった和也を動かすサスペンス作品。

見た目は子供、中身はおっさんの胸くそ暴走劇

「気持ち悪い」という声の多い本作だが、本当にその通りである。32歳の自暴自棄になった和也が、子供の姿に変わっただけなので内面にあるロリコン性は消えていない。

いやらしい目線で同級生を見ており、あらゆる限りの欲望を満たそうとする。この欲望を満たすための暴走が酷すぎて、気持ち悪さに繋がっていくというわけだ

序盤から和也は、杏奈にパンツを見せてもらおうとしたり。体育の着替えをジロジロ見たり。和也に好意を抱く女子を利用し性的なことを要求したり。

「もうやり直しとかのレベルじゃないやん」と思わずツッコミたくなる(苦笑)絵が上手いタイプの作品ではないが、気持ち悪さを描く絵力は強いため、暴走劇がより過酷に見える。

胸糞作品が好きでかなり読んでいるが、ツイート主の方じゃないけど私も「面白いというだけで逮捕されそう」という意見に同意。空想の話とは言え、それだけ問題作であることには違いないレベル。

ゲス展開が次々に繰り広げられていくおぞましさ

序盤の流れは、和也のロリコン犯罪が中心となっているが、徐々にゲスさもエスカレート。

ただ小学校時代に戻って、杏奈をどうこうしたいという話なら想像がついたので。タイトルから始まる伏線や登場人物の追加。人の死などサスペンスとして流れていく展開は面白い。

ゲス展開は1巻から始まるのだけど、それが2巻、3巻と進むにつれ、おぞましさを感じさせられるようになる。ホラー的であり、バイオレンス的であり。

このゲス展開&胸糞さに対して、どういった救いがあるのか。それともそのまま終わっていくのか。このあたりに期待して読んでもらうと、納得の面白さを感じるはず。

本作にロリエロを期待している人もいるようだが、さすがにエロ漫画ではないのでご注意を。あくまで、ホラーサスペンス要素で勝負している漫画。

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