出典:Amazon
タトゥーハーツがおすすめの人
- バトル漫画が大好きな人
- 壮大な世界観に心躍らされたい
- ポテンシャルを秘めたままの打ち切り作が読みたい
打ち切られなければ、この評価になろうわけがないのだけど。打ち切りという微妙な終わり方のため、どうしてもこの評価に落とさざるを得ない。
リアルタイムで連載開始から終わりまで読んでいた。「ジャンプの王道漫画だなぁ」という印象でありきたりな内容ではあるのだけど、その世界観は未知でワクワクした。
タトゥーハーツ、あんだけ風呂敷広げられそうな感じあったのに14話で終わっちゃったのマジで何だったんだ
— トミー(Official) (@distommy) November 15, 2019
ただ無念ながら、心躍らされつつも2巻で終わるため、仮に予備知識なく読んだとしても、今から読む人には「2巻で終わるんだな」というネタバレが起こるのが勿体ない。
作画もストーリーも、2000年代初頭だと考えればレベルは高い。今読んでも違和感のない面白さなので、紹介してみたいと思う。
「タトゥーハーツ」のストーリー
©タトゥーハーツ 集英社
鍼治療と勘違いし、刺青屋に入ってしまった主人公・莫山。鍼治療されると思いこんでいたため、背中に刺青が施されても気づかないまま。
一方、父の残した刺青屋で働いていた少女・花音も父が遺していった「血墨」であることを知らず彫ってしまう。
このタトゥーを巡ったトラブルが、莫山らに降り掛かってくる。ファンタジーバトル漫画。
背中に刻まれた「粋」の刺青がかっこいい
バトルモードになると、莫山はタトゥーの力を使うことになる。彼の好きな言葉である「粋」という文字が輝き、バトル漫画ではありがちな戦闘モードに切り替わるという設定。(いい意味でありがち)
莫山も「粋な男」になることを祖母から言われてきたため、粋でないことに対しては反発する。タトゥーハーツを狙ってくる組織に対する、彼なりのポジションが明確でわかりやすい。
背中の文字が光っている間は、いわゆる変身状態なので、斬新さで語るとすでに他作品の既視感を覚えるのも確かなのだけど。
私としては、それでもタトゥーを彫られたことで力を発揮していく設定が好きだ。令和のいま読んでもかっこよさを感じるし、主人公としての魅力は十分に持っていると思う。
敵対する真墨文族もかっこいい
莫山の持つ特殊能力「タトゥーハーツ」を、悪用しようとする組織も出てくる。真墨文族と呼ばれる一派なのだけど、ライバルキャラとして登場してくる彼らもかっこいい。
莫山の持つ刺青同様に、彼らもまた「漢字一文字」で自身のキャラを確立させているところがよい。一貫性があり、同時にバトル漫画としてのわかりやすさにも繋がっている。
壮大な世界観を予感させると上記で述べたが、理由として敵キャラたちの醸し出す雰囲気が序盤からしっかり形成されていたからだ。
今後、敵キャラが登場してくるであろうことを予感させる上で、この真黒文族たちは私を魅了した。
逆に言うと、先の展開が見えているという意見も出ていると思うので、人気が出なかったのかなと思ったり。読者アンケート結果を抜きに継続はできないので、こればかりは私の好みと世間の感覚にズレがあったんだなと諦めた。
すでに2巻完結が分かっているものの、ポテンシャルの高かった作品
全2巻だが上手くまとまったかと言うと、私としては不満だらけだ。連載を望んでいた派なのだから、中途半端に終わらされたと思うのは当然だろう(苦笑)
それだけポテンシャルの高さを感じており、別の漫画雑誌なら継続できたのでは?と思えたり。今さら言っても仕方がないけれど・・。
ちなみに本作は、kindle アンリミテッド加入者は読み放題。またマンガ図書館にも並んでおり、実質的に購入しなくても読める。才能ある漫画家さんなので、気に入ったら周りの人にも「こんな漫画家さんがいる」と紹介してあげて欲しい。