出典:Amazon
ミスミソウがおすすめの人
- 胸糞悪い作品が読みたい
- 絶望的な気分を味わいたい
- グロ描写があっても平気
一体なんのために描いたんだ?と思わざるを得ない問題作。閉鎖的な田舎町に引っ越してきた主人公の少女・野咲春花を待っていたのはイジメなんだけど、イジメの内容が異常性のある凄惨さで描かれている。
漫画は本来、娯楽であり読後は「あ~楽しかった」で終わるのが基本と個人的に考えている。しかしミスミソウは、終始ムナクソ作品なので後味も悪い。
少女がイジメに遭う、家族にも危害が及ぶ。復讐するというシンプルな進行だけど、内容はとても酷いので忘れられない。作品のキャッチフレーズが「精神崩壊ホラー」というだけのことはある。
ミスミソウを読んで感じたこと3つ
久々に漫画を買って読了😌
それぞれの理由も行き場のない気持ちもなんとなく…ね。
「因果応報」、「業は廻り巡る」
歪になってしまえば元には戻らん。
誰も救われないのは虚しく悲しい。
手放しに好きとは言えんけど心に刺さるものがあるし読んで良かったと思える作品だったかな😌#ミスミソウ pic.twitter.com/UJc88lBGgW— 和(希)@LIVE is LIFE (@kazu_ki_gt) May 30, 2020
ミスミソウの見どころを、読後の感想を交えて3つにまとめてみた。
心優しい少女が報われないことが最大の胸糞ポイント
©ミスミソウ 双葉社
まず主人公の野崎がとても心優しい良い子。家族思いで、イジメにあっていることも秘密にして心配をかけないように・・というイジメられっ子のあるある属性。
この子には、イジメに遭わなければいけないような落ち度もない。(イジメそのものに、落ち度があるとか無いとかの議論は置いておいて)
だからこそ、「この子が何をしたと言うんだ」という報われなさに、ひたすら胸糞悪さを覚えた。加害者の生徒たちがリアルにいたら、本当に殴りつけてやりたい。
ネタバレでもあるんだけど、せめて野崎が報われるのであれば、まだ救いようもあったんだけど・・。でも家族が殺されたり、野崎自身が復讐の念に駆り立てられるなど負の連鎖ばかり。
トラウマを起こす可能性が高いので、胸糞関係のコンテンツが苦手な人は読まないほうがいい(苦笑)おすすめしておいてなんだけど。
グロ描写でエグリ取られる読者の平常心
復讐のシーンは多く描かれているんだけど、決して「生ぬるい仕返し」で収めないのもミスミソウの特徴。
あの心優しい少女とは思えないほどの復讐をやるし、その描写は見ている側もダメージを負うほどのグロがある。
心拍数を計測する機械でもつけて読んでみたら、微動だにせず読める人は本当にいないだろう。目を背けたくなる残虐性を秘めており、年齢的に高校生くらいにならないと読んじゃだめだろうなというレベル。
復讐描写をここ一番で魅せてくるので本当に怖い。押切先生の個性でもあるけど、ネガティブな空気感をキャラにまとわせるのが上手いので、グロとの相性が良すぎるのだ。
セリフ回しが絶妙すぎ
とにかく胸糞&グロな作品で、読み手が不快になってしまうのは前述してきた通り。ただ、絵を見ただけでそこまで胸糞悪くなっているかと言うとそうでもなく。
元をたどっていくと、野崎にぶつけられる悪キャラたちのセリフ回しが絶妙なのだ。普通なら警察沙汰でさっさと逮捕されていくのが筋なんだけどそこは漫画。
家族を焼死させた連中から、「バーベキューの焼き具合」と目の前で言われた日には発狂しかない。もう中学生同士のやり取りではないのだけど、こういった煽りが絶妙に入っている。
どんな時に読んでほしいかと言うと、ホラー映画を観たい時に手にとって欲しい感覚。間違っても誕生日とか、入籍日とか。ハッピーな気持ちでいたい日に読むのだけは避けるようご注意を。
ラストは読んでもらうしかないのだけど、本当に後味が悪すぎてやばい。ここまでやるかという一線を超えた。