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ムヒョとロージーがおすすめの人
- オリジナリティ溢れるホラーを求めている
- 絵ではなく雰囲気が怖い幽霊漫画が好き
- 幽霊の悲しさや感動エピソードが読みたい
ムヒョは幽霊の出てくる漫画だが、そこまで怖くはない。幽霊系の作品はトラウマになるほどの絵で脅かしてくるパターンが多いのだが。ムヒョは怖い雰囲気という世界観を作り上げていると個人的に思う。
上手くは言えないが、誰もが怖がる路線というより、幽霊や人物を通した想いやエピソードを重視しているからだろう。温かいホラー漫画というか、絵を見てもそんなにトラウマにもならないはず。
実際、霊というのは亡くなった人の思いが出てきているとも言えるため、感動といった流れに持っていくのは悪いことではない。好みに左右されるオカルト漫画になるが、作品としてのオリジナリティは高い。
「ムヒョとロージーの魔法律相談事務所」のストーリー
©ムヒョとロージーの魔法律相談事務所 集英社
主人公・ムヒョは、魔法律家の最高位である執行人。魔法律とは、霊の犯罪を裁くためのもので、ムヒョは助手のロージーとともに魔法律家として、幽霊の対処に当たっている。
オカルトホラー漫画ではありつつも、霊と戦う場面も描かれており、バトル性も兼ね備えた作品。感動エピソードから、魔法律協会における人物同士の因縁など話は広がっていく。
「人の想い」を大事にしているオカルトドラマ
ムヒョとロージーの魔法律相談事務所、戦いが裁判形式なので罰にあたる行動を幽霊や妖怪が行わないと刑が執行できない、悪意が無く暴れている悪霊などはどうにか耐えるしかなくどんなに弱い幽霊でも死の危険性があり泣けるストーリーが多く怖いのが苦手な人でも最後には感動して終わる作品になっている
— ミラ (@miraboresu3946) March 26, 2020
ただ怖いゴリ押しのトラウマ漫画であれば、過去にも似たような漫画があったなと感じるのだけど。私の中におけるムヒョは、「想い」を大事にしているドラマで新しさを感じた。
霊になってしまう人間に理由はあるし、その霊がなぜ人間を恐怖に貶めるのか。このような流れをしっかり作り上げ、ムヒョとロージーが解決していくのは面白い。
賛否はあるが、ムヒョと魔法律協会の人物のいざこざなど、これも人間ドラマとして捉えると、オカルト性を忘れて読ませる物がある。
「がっちり絵画を見るのが怖い」というレベルにしてしまうと、このドラマ性が薄れる恐れがあるとも思った。怖さは雰囲気で作り上げ、絵はしっかり見せているので読みづらさはない。
ちなみに、私はメインストーリーよりも、数話で完結する泣ける話が好きだった。逆に怖い印象がないので、怖がっている人の意見を見ると「?」となるタイプ。
作品としての独創性を強く感じる
作画も含めたオリジナリティを強く感じる。「霊を法律で裁く」というプロットなど、ありそうでない話のためストーリーは追いかけたくなる仕組み。
単純に「霊が出てきて怖い。退治しよう」という流れだと、想像できる話になっていくというか。すでに先人が手を付けた領域なので、斬新さという意味では面白みに欠けただろう。
そこに「法律」という人間社会と重なるルールを用いたことで、独創的な世界観をムヒョから与えられた感覚。漫画でしかできないことを、しっかりやり切っていて素晴らしい。
ムヒョとロージーの、法律家と助手という分かりやすい軸を使い、そこに関わる人物も興味をそそるように配置。
魔具師のビコや、写真家のナナちゃんなど可愛いキャラもしっかり描けている。おどろおどろしい中の癒やし要素として今も忘れていない。
ストーリーの内容にムラがあった
全体評価すると、全てがいいテンポだと思えないところもあった。元々ストーリーは大きく広げるだけのポテンシャルある作品だが、私の好みでいうとハマらない時期もあった。
複雑化させすぎている話を作っていたりもするので、逆に「今どういう話なのか分かりにくいな」と感じる部分も出てしまった。どハマりする人は、どんな形でもファンとしてついていくのだろうけど。
「いつも爆発的に面白い!」を求めない人なら、斬新さの後押しで読み進めやすい作品。私はジャンプを当時は買っていたので、どちらかというと連載されているから読むという姿勢だった。