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GTOがおすすめの人
- 型破りな教師漫画を読みたい
- 心に響く名言のある作品が好き
- 元ヤンが更生した設定に嫌悪感がない
「教師漫画の名キャラは?」と言われたら、本作の主人公・鬼塚がすぐに浮かぶ。型破りな教師モノではあるが、その行動には信念があり、理想の教師像を貫き通した。
私が読んだのは、かれこれ20年以上も前になるが、当時は学校教育の現場が荒れているニュースなどが頻繁に流れていた。
そんな時代の影響もあってか「こういう先生がいてくれたら、問題ある子供たちも少しは改心するのでは?」と思ったものだ。漫画だと分かっているが、私もこんな先生がいればと願っていた一人である。
「GTO」のストーリー
©GTO 講談社
元不良の鬼塚英吉が主人公。替え玉受験で大学入学を果たし、教師になった男。採用された学校は、生徒にも教師にも問題が山積みの現状があった。
この現状を変えるべく、鬼塚が望みを託されることになる。問題児や保守的な教師たちと本気でぶつかる学園モノ。
悪ふざけや下ネタなどで笑わせるシーンがありつつも、教師と生徒の物語ではなく、人と人という対等な関係が見どころ。
「あいつなら何とかしてくれる」と期待したい型破り教師
多分、いまの私を鬼塚が見たら
この台詞で一蹴される
これだからGTOは大好き pic.twitter.com/tbDDCYdoUX— たろ子 (@taroimonoko) July 11, 2020
「型破り教師」は鬼塚の代名詞。問題児や問題教師と向き合う際に、話し合うより態度で見せる。
この態度で見せる姿が衝撃的で、「普通こんなこと教師はやらないよね」ということばかりを起こしていく。問題のある人間ばかりの学校だが、鬼塚もまた問題のある人物でトラブル三昧(苦笑)
口だけではそれっぽいことを何とでも言えるわけだけど、鬼塚はそういう大人とは違うところを見せてくれる。(実際、生死に関わるような行動を取っていたりする)
担任イジメをやっているクラスに配属されるのだけど、生徒たちから「あいつなら何とかしてくれる」と徐々に信頼されていくのが良い。
最初に読んだ時は、こんな問題児たちがどう改心するんだと思うくらい酷いものだった。こういう不良たちが、鬼塚と関わる中で心情も変わる姿をきっちり描いていて分かりやすい。
要所では鬼塚が心に響く名言をいうこともあり、名場面が生まれる瞬間がとても好き。ちなみに熱血教師ものではなく、純粋に鬼塚という人間に魅力が詰め込まれている。
問題ある教師も遠慮なく描く
生徒たちに問題があるのは、学園漫画にはありがち。ただGTOの違うところは、教員サイドにも問題があるところだ。
保身に走っている内山田教頭は、問題やトラブルになるようなことを嫌がる。露骨すぎて、さすがにこんな学校は漫画の世界だわと思わされるのだけど遠慮ない描き方がよりストーリーを引き立てた。
それでも、実社会の学校としてみると、少なからずトラブルを避ける傾向があるのも事実。実際、未だに学校内でのイジメなど隠蔽されたりしているので・・。
インパクトでいうなら数学教師の勅使河原。エリート出身だけど、こじらせてヤバい人になっていたりと見どころの一つになる。
散々迷惑をかけてきた元ヤンの更生モノとも取れる
鬼塚自身も元ヤンで、人様に迷惑をかけてきた存在。ありがちだが、こういった人ほど過去を反省して次世代に訴えられるものがある。
ただ、「昔は悪かった」という武勇伝系が好きではない人が見ると、「美談みたいで気持ち悪い」と捉えられるのも事実。
漫画なので、そこまでツンツンしなくても・・と私は思うが。実社会で元ヤンがあれこれ更生して美談となっているのは私も好きではないが、GTOは漫画だから気にしない。
美談だとしてもいいじゃないか。人に届くメッセージが込められている漫画なら。学園モノとしては、とてもレベルの高い作品。