出典:Amazon
妻、小学生になる。がおすすめの人
- 夫婦の純愛モノが好き
- 輪廻転生による物語が好き
- 泣ける系の作品が好き
「妻が小学生」という表紙が目に入り読んでみた。ジャンルも分からなかったが、ロリコン系のギャグコメみたいな作品だろうと勝手な予想。しかし、偏見を持って申し訳なかった。良い意味で予想は裏切られることになる。
これだから漫画は読んでみないと分からない。愛のある夫婦像を描いているし、そして号泣まではいかないけれど心に刺さる感動シーン。ちょい泣きそうレベル。
輪廻転生など、設定で考えると私の好む展開ではないのだけど。こうも面白い展開で描いているなら、多くの読者を惹きつけているのも納得の納得。
「妻、小学生になる。」のストーリー
©妻、小学生になる。 芳文社
10年前に妻・新島貴恵を亡くした夫・新島圭介と娘・麻衣。ある日小学生の女の子が家に訪ねてきた。女の子は妻である貴恵の生まれ変わりだと言う。
半信半疑の圭介と麻衣に、生前の情報を伝えていく過程で、本物の貴恵だと認識。小学生の姿とは言え、戻ってきたことに歓喜する圭介と麻衣。
しかし、貴恵には女子小学生・白石万理華(転生後の名前)としての生活もあるなど問題が山積み。「家族」をテーマにした物語である。
テーマは「家族愛」。ロリ漫画ではないので勘違いすると勿体ない
近年、すごい勢いでロリ系作品が増えている。その影響もあって、本屋で見かけた際には「小学生と結婚がテーマの漫画も売られる時代になったか」と大きな勘違いをしていた。
その後、kindle アンリミテッドにて、1巻無料だったので試しに読んだところ・・。「おいおい、しっかりした感動作品じゃないか」ということが判明。その後、一気にまとめ読みで追いかけるほどハマる。
1巻を全て読まなくても、第一話を読んでもらうだけで家族愛がテーマという雰囲気は分かる。夫である圭介が、どれだけ妻を失ったことで悲しかったか。戻ってきて嬉しかったか。
妻を亡くし失意の底にいた圭介・麻衣の元に、奇跡が起こることで家族が温かい雰囲気に包まれていく。ある意味、ロリ漫画と錯覚させることを狙った不意打ちみたいな作品だ。
輪廻転生というありえない設定でもスムーズに受け入れられる
妻、小学生になる。を3巻まで読んだけど面白い。小学生に生まれ変わった妻のキャラは一見するとありきたりなキャラなのに、各々の心情が上手く表現されていて寧ろどんどん好きになってしまう。お父さんもどんどん良くなっていくし、これは何処アニメより先にドラマ化しそうだなと感じた。続き気になる
— 未開の地へ (@5hAXc9MVJaHUWrf) November 6, 2019
「亡くなった妻が小学生になって戻った」と聞くと、ストーリーとしては無理筋だなと思う方もいるだろう。実際、下手な輪廻転生テーマだと、読者が心の中でツッコミを入れてしまいがち。
しかし、本作のいいところは輪廻転生させた設定が、そこまで気にならなくなるのだ。理由を考えてみると、妻が小学生として戻ったことで、圭介や麻衣が救われているため。
老齢で亡くなっているならまだ納得もあるかもしれないが、生前の貴恵はまだ若い。ふつうに家庭の幸せの最中で亡くなっており、未練もあったであろうことが作中で伺える。
家族みんなが貴恵のよみがえりを喜んでおり、ここに「輪廻転生ってどうなんw」というツッコミを入れる余地など、もはやない。
むしろ、小学生としての妻とどう進んでいくかを一緒に考えてしまう。輪廻転生など非科学現象を信じない私でも、これだけ面白いと受け入れられることが嬉しい。
人の思いが動くストーリーが良い
作中では、他にも色んな「人の思い」が錯綜する。恋心だったり、親心だったり。各キャラクターが置かれた立場で、できる限りのことを一生懸命やっている。
「妻が小学生」という内容はあくまで主題テーマであり、その他の人も巻き込んでストーリーはしっかり動かしている。
感動する話だが、号泣まではしない。だけど、よく練られた話でじんわりとした感動はちゃんと伝わってくる。むしろ、泣ける系に振り切らないことで、読者の気持ちを揺さぶっているのだ。
本当にコミックの表紙だけを見て適当に解釈して申し訳ない(苦笑)