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デスノートがおすすめの人
- 巧妙に張られた伏線のあるサスペンスドラマが好き
- 心理戦、頭脳戦をスリリングに描いた作品を探している
- キャラの表情や雰囲気の変化をビジュアルで楽しみたい
「ノートに名前を書かれた人間は死ぬ」という設定は、素人でも思いつきそうで、いずれ誰かがやっていた話。少なくとも私が本作を初めて読んだ際にはそう感じた。
しかし、シンプル設定とは裏腹にストーリーには巧妙な伏線。そして、心理&頭脳戦をこれでもかと入れており、先の読めないスリリング展開が待っている。
ここまで仕上がると、誰でも思いつくなんて言った言葉を撤回せざるを得ない。小畑氏の画力も後押しして、読者側も息を呑むサスペンスだ。
「デスノート」のストーリー
©デスノート 集英社
主人公・夜神月(やがみライト)は、奇妙なノートを拾った。このノートは「デスノート」と呼ばれ、名前を書かれた人間は死ぬ。このノートを使い、ライトは犯罪者を裁き始める。
一方、犯罪者が次々に死んでいくことに気づいた警察は、連続殺人として捜査を開始。ライトの正体を突き止めるべく、名探偵L(エル)と共に事件解決に動く。
心理&頭脳戦を駆使したやり取りに痺れてしまった
近年だと、デスノートって「名前を書いた人物が死ぬ」という単純明快な設定と伏線回収が気持ち良くまとまって終わった作品だったなって思い出します。
— みしぇਡʓ↯新人Vチューバーおちゃっぴぃ (@_michelle1) December 1, 2018
本作は、ライトとLの対決を描いていると言っても過言ではない。誰にも自分が殺していると悟られないよう動くライトと、身バレして殺されないように捜査するL。
心理戦、頭脳戦の応酬が続き、状況は二転三転。いや、四転五転と全く読めない展開が待っている。ついにライトも終わりかと思えば、Lが追い込まれていたり。
この駆け引きが面白く、連載当時は毎週のように私の弟と「この展開は〇〇なんじゃない?」と語り合ったほど。漫画をそこまで読まない弟もコミックで集めるほど痺れていた(笑)
心理戦や頭脳戦を描いた作品は多けれど、これだけ緻密に描いている作品も珍しい。細かさは諸刃の剣で、一歩間違えれば「読むのが面倒」で切り捨てられる恐れもある。
ここを上手く小畑氏の画力で薄れさせ、「この絵じゃなければここまでワクワクしなかった」とも言える展開に感服。
「自分ならどう使うか」を想起させるほどの没入感に浸れる
デスノートを渡され「名前を書いた人間を殺せる」と言われたら、あなたはどうノートを扱うだろうか?読者なら、「そんな野蛮なことは考えない」という人はいないだろう。
この「自分なら」と考えさせられるほど没入感がある。そう想起させられるのは、ノート使用に対するルールがあるからだ。
人が死ぬわけだが、ルールが存在することでどこかゲーム的に感じられ、そして自分が使うなら・・と考えてしまう。ちなみにルール考察がネットでも話題になるほど設定は細かいw
私も妄想程度だが、「どうやって自分なら使うかな」と没入したほど。どういう使い方をしようと考えたかまでは言わないが(笑)
第二部の評価は人によって分かれる
デスノートは「第一部」と「第二部」に分かれており、人によっては第二部の存在が邪魔に感じる人もいる。私も、ここが若干気になるところだった。
未読の人もいるので多くは書かないが、展開的にトーンダウンを感じたのが理由の一つ。終始、面白い展開のままラストまで進む作品も珍しいので仕方がないとは思うのだけど。
物語全体の方向性として、第一部のほうが分かりやすい。第二部は、もっと深みにハマりたいデスノファンに向けたとも言える。
とは言え、すべて読み終えて思ったこと。読んでいる最中は、第二部もバリバリ楽しんでいた。大きくがっかりするまでは無いのでご安心を。