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マスゴミがおすすめの人
- マスコミがスキャンダルを暴く話が好き
- ヒーローの変身姿が「女装」でも問題ない
- 実際のスキャンダルを元ネタにした作品が読みたい
マスコミ関係者には挑戦的な「マスゴミ」というタイトルに惹かれて読んでみた。マスゴミは、マスコミを揶揄する言葉で決して良い意味ではない。
そのため、マスコミ叩き的なストーリーで描いているかと思っていたが、予想外の進行に戸惑った(苦笑)おそらく、タイトルだけで読んだ人は同意してくれるだろう。
メインとなる内容は、男性記者による女装。女装することで、取材対象にオンナとして近づき油断させてスキャンダルを暴く流れができる。正義のヒーローモノとも重なっていて読後感は悪くない。
「マスゴミ」のストーリー
©マスゴミ 集英社
主人公は、ジャーナリストとしてマスコミで働いている男性。しかし、今ひとつ大きなネタは取れず・・。おっさん向けの企画で、下品な記事を書いていた。
そんな時に、彼女から「芸能人を尾行してデート現場を盗み撮ることはジャーナリズム?」と問われる。何も言い返せなかったことで奮起。
女装することで、オンナの力を使い様々なスキャンダルを暴く。
悪い男たちをぶった切る女装ヒーロー
マスゴミ / 鈴木みそ
読了
自分がオートガイネフィリアかもしれないという話をしたところ、修論の担当教授からこないだオススメされたので読んでみた。面白かった。ここまでぶっ飛んだ活動はできないけれど、女装に謎の解放感が伴うのには経験がある。もう少し女装映えする見た目なら良かったのだが。 pic.twitter.com/1ZXew5GuR5— 納経 (@jap_live) December 22, 2017
「女装した姿が美しい」という前提で成り立っている漫画ではあるが、この女装で男たちの懐に入り込んでスキャンダルを暴く流れは良い。
普通に取材して暴いていくだけだとパンチが足りず、別によくある話だよな・・で終わってしまう。女装ではあるが、主人公の変身を描いており、一種のヒーローモノと呼べる。
ただ、微妙に設定に違和感があるというか。コロコロ男性が騙されるほどの美女には見えても、話せば「声」で男性と分かるような気がするものだが。細かいことは気にせずってことなんだろうけど。
マスコミがあの手この手でネタを作るような話ではなく、「悪いやつがいるからぶった切っていく」というストーリーなので後味は良い。正義が悪を成敗するストーリー好き向け。
「悪いマスコミ」も描いて欲しかった
せっかく「マスゴミ」というタイトルをつけたのだから、強引な取材など嫌われがちなマスメディアのことも描いて欲しかった。
良いマスコミの仕事ぶりとバッティングするので難しいところはあったのだろうけど。ネタが全般的に軽めで、これはとても面白い!と絶賛できるポイントがなかったのは、こういうところが原因かも。
IT化によって出版不況に陥っていることや、SNSを使った情報の流れ。不正なアップロードといった、デジタル化で被害を受けている問題などを入れているのは評価できるが・・。
悪いマスコミの話もあれば、抑揚のついたストーリーになっていたと思う。
おまけの「婚活クエスト」は面白い
「マスゴミ」は別冊プレイボーイに連載されたが、コミックバンチにも掲載された他作品とまとめられている。
その一つが「婚活クエスト」であり、これは面白かった。私が婚活ネタにハマりやすいのもあるが、ドラクエ風にした婚活実状が分かりやすくていい。
サクッと1話で完結し、内容は濃く婚活している人には刺さる。「男は家庭を持って初めて一人前」など、独身者には耳が痛い台詞などもあるけどね(汗)
もし結婚したいけど出来ておらず、その理由がよくわからない人がいるなら読んでみると良い。kindle アンリミテッド(2020年9月現在)でも読めるので、機会があればどうぞ。
ぶっちゃけ「マスゴミ」本編より、おまけの方を評価している(笑)