昭和の未解決事件、3億円事件は終わらない『モンタージュ』

ストーリー、ジャンル

1968年12月10日に起きた昭和の未解決事件である「三億円事件」をモチーフに描かれたフィクション作品。時効も迎え時は流れたが、現代になり事件の真相が動き出すというもの。

主人公である「鳴海 大和」と幼馴染みの「小田切未来」と共に、瀕死の老刑事に「お前(大和)の父親は三億円事件の犯人だ」と告げられた事から運命に巻き込まれる事に。

「3億円事件の真相はこうだった」というifストーリーであたるが、ミステリーサスペンス作品として秀逸な仕上がりを見せている。3億円事件を知っている人や関心のある人は面白く読めるだろう。

豊富な謎解き要素

この作品は、「3億円事件の真犯人」を探すという主旨ではない。なので犯人探しのような色合いは控えめに展開される。もちろん、事件の主要人物や裏で糸を引く人物などの存在はあるものの、早い段階で怪しい人物はどんどん登場させてくる。こいつかな、あいつかなと考えるだけでも読者は楽しめる。

メインとなるストーリーは「なぜ3億円事件が起こる事になったのか」という動機や実行計画の全貌だ。この事件の背景にある物語りこそが本作の確信にも当たり、ミステリーとサスペンスを折り込んだ緊張感が常に漂う事になる。

「犯人か?」と思われる人物が多く登場したり、実際に実行犯がわかるようになってからも「なぜ犯行を行った?」の疑問符はまとわりついてくる。おおよそでも犯人と事件の真相に繋がりが見えてくると、伏線が様々なところにあった事に気がつけ納得させられる。謎を楽しみ、謎が紐解かれるときにドラマ性を強く感じる事だろう

こんな人におすすめ

ミステリーサスペンス作として申し分のない出来栄え。絵柄は現代的な描写とはいえないが、ポピュラーなデザインが効果を発揮し男女問わず読めるだろう。3億円事件は語り尽くされているが、こんな背景があったのかもしれないと思いながら読めると楽しみは増すばかりではないだろうか。

ちなみに私は1巻から惹きこまれ、ラストまでグイグイ食い入るように読み込んだ。漫画にドラマ性を求め大切にする人にはオススメしたい。「人と愛」の関係性がサブテーマとも取れる内容は、読者の胸にきっと爪あとを残す事だろう。

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