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妻に恋する66の方法がおすすめの人
- 既婚者だけど恋がしたい人
- 妻に対する気持ちが冷めている人
- 結婚に踏み切れない人
2016年くらいからだろうか。不倫がメディアで強い非難を浴びるようになった。これらの騒動から「結婚しているにも関わらず外で遊ぶ」という考えは昭和の出来事という認識へと変わっていった。
しかし、そんな背景とは裏腹に家庭内で妻に恋をし続ける男がいる。福満しげゆき氏だ。絶対に長年一緒にいたらマンネリ化してくるであろう夫婦関係に彼自身は挑戦している。
それは「妻をずっと好きで居続ける」という極当たり前の話なのだけど。福満氏がどういう夫婦関係を築いているのか、家庭事情を漫画化したのが本作。
既婚者で外で恋がしたいけど・・と思っているような不届きな者は、今いちど妻に恋をするということを学ぶべきだ。
「妻に恋する66の方法」のストーリー
©妻に恋する66の方法 講談社
ただただ作者である福満氏が、自身の妻を観察している日記エッセイ漫画。タイトルは「妻に恋する方法」と出ているため、冷え切った既婚者たちを救済するノウハウ本のようにも見えるが・・。
福満氏の視点は鋭く、とにかく妻を観察していることが分かる。慣れてたるみきった夫婦関係があったとしても、常に新しい妻を発見していく面白さ。
そこに愛おしさや、可愛らしさを見つけ、夫婦仲も続くように思える。作者のノロケ話でもあるが、結婚している読者も妻に向き合うと恋心がまたよみがえるかも?
ちなみに、無理に恋をしようとしているわけでもなく、純粋に福満氏は妻が好き。妻愛によって生み出されたとも言える作品だ。
妻の一挙手一投足がツボる
そこらにいる、普通の女性ではないところが妻の魅力である。福満氏の妻は、とにかく物事をポジティブに捉え、明るく元気に毎日を過ごしている。
作者が超のつくほど自己肯定感の低い人なので、逆に言うと妻の存在がなければ死んでいたのではと思わされるほど。そんな男性となぜ結婚したのかも謎だらけ。
九州方言が面白く、意味不明な行動を取りまくり、だけど夫子供のことは大事にする。一般女性でありながら、そこに福満氏を通したフィルターでキャラ化されていく。
言葉じゃ伝わらないので、お試しでもいいのでとにかく読んでみるといい。妻の言動が何から何まで魅力的なので、分かる人には語らずとも1話で伝わる面白さ。
妻の可愛らしさに読者まで恋をしてしまう
寝る前に、
福満しげゆきさんの「妻に恋する66の方法」をちまちま読むのが日課でした。
永遠に続くような、のんびりとしたやりとりが心地良くて…でも6巻で終わってしまって、急にさみしく思っています。喧嘩を何度もしても、奥さんを可愛く描いているところに大きな愛を感じます。
— 酒井麻衣@ぴぷる (@mai_littlewitch) June 9, 2020
万人受けは難しいけど、この妻は本当に可愛い。私も本作の妻を見ていると、彼女に恋をしてしまうような気がする(笑)読者が恋をするために描いているわけではないのだけど。
可愛い顔をしていて、それでいてちょっと天然で。体型は完璧とは言えないちょっとぽっちゃりした感じ。夫の苦しいところを下支えしている優しさ。
漫画の女の人ではあるけれど、深い妻観察を行った末に描かれた人物なので、本当にそこにいるような。そんな親近感を抱くほど。
私はついつい妻について画像検索をしたりするが、顔や体型は出てこず。出て欲しいけど、この漫画のイメージを守り切るなら出さないほうがいいのかも。
漫画やアニメキャラを、〇〇は俺の嫁とか言っちゃうネタがあるけど、そう言われてもおかしくないくらい可愛い。
作者の自己肯定感の低さに共感する
妻を題材にしつつも、作者の自己肯定感の低さを象徴するシーンがいくつもある。売れない漫画家として、生活に余裕がないことや、その影響で不安を抱えて生きていることなどなど。
子供からも仕事について心配されるシーンがあるが、とても見ていて辛そうだなと共感したり。(あまり売れないと本人が言うだけで、実際はどうかわからないけど)
いわゆる「普通」と言われる一般社会で生きていけない人が、妻という存在に支えられている姿が羨ましかったり。
私も自己肯定感の低い人間。似た性格を持つ作者には、ぜひ今後も幸せな夫婦として人生を歩んで欲しいと思う。