短編集

「くしゃみ 浦沢直樹短編集」読むなら押さえたい4作品

くしゃみ

出典:Amazon

総合評価 B (ふつうに面白い)

くしゃみがおすすめの人

  • 浦沢直樹ファンの人
  • サクッと読め心温まるストーリーを探している人
  • 怪獣や超人や超能力といったSF要素が好きな人

売れっ子漫画家の短編集には「普通」という感想がない。なぜなら売れっ子だからこそ期待されるため、結果的に「面白い」か「つまらない」という二極化が起こるのだ。

そして本作の批評だが、面白い方に当てはまる。その中でも、特に面白いと思った作品を4つご紹介。キリの悪い数字だけど、どうしてもおすすめしたかったので(苦笑)

ネタ的には、少し古い題材を扱っていたりもする。怪獣が出てきたり、超人ヒーローが出たり。超能力だったり。浦沢氏らしさが出ておりファンとして納得の出来栄えだった。

「くしゃみ 浦沢直樹短編集」のストーリー

浦沢直樹氏が描いてきた短編8作品をまとめている。掲載時期や雑誌はバラバラだが、1995年~2018年まで。作品は以下になる。

  • 『DAMIYAN!』
  • 『月に向って投げろ!』(ストーリー共同制作:長崎尚志)
  • 『親父衆』
  • 『ヘンリーとチャールズ』
  • 『いっつあびゅうてぃふるでい』(原案:遠藤賢司)
  • 『Musica Nostra』
  • 『怪獣王国』
  • 『単身赴任/Solo Mission』

浦沢氏の解説も織り込まれているなど、漫画以外にも楽しめる要素あり。

DAMIYAN!

©くしゃみ 浦沢直樹短編集 小学館

超能力で人を殺すことが出来るオタク風青年たち。そしてヤクザの組員。協力してとある人物を殺しに行くのだけど、超能力はあくまで設定の一つ。

ドラマになっていてよかったし、キャラも何だか気になって見入ってしまったし。キャラというのは、バナナマンの日村に似ている人物が出てくること

冒頭から「これ絶対日村がモデルじゃん」と思うのだけど、浦沢氏いわくたまたまらしい。浦沢氏による似顔絵展とかやってくれたらいいのにと思ったんだけどな(笑)

月に向かって投げろ

浦沢直樹っぽさを求めているならこれだ。新聞社で死亡広告を担当する記者が、とある事件の真相に迫っていくというストーリー。

短編ながら伏線がしっかり張られて回収までスッキリ。怪しげな老人を用意したり、二転三転させる流れが面白かった

長崎氏と共同で作ったこともあってか、かなり気合が入っているように感じた。それにしても死亡広告の記者って、またニッチなところをテーマにしたなと感心。

ヘンリーとチャールズ

ネズミ2匹がケーキを食べる物語。こう聞くと絵本のような話なのだけど、実際に子供向けの絵本雑誌に描いたとのこと。大人が読んでもワクワクしたので、子供ならなおさら良いのでは。

舞台は台所で、ネズミの天敵であるネコに見つからないようにケーキを探すみたいな。ネズミ視点で冒険するので、短編ながらどうなるのかオチが気になってしまう

とても面白いと思ったが、浦沢氏自身も「もしかして私の中で最高傑作なのではないでしょうか」とあとがきで触れている。これには同意。シンプル設定ながら、読者を惹き込む強さがあった。

単身赴任

フランスの雑誌に依頼されて描いたそうで、左から右ページに読んでいく作品。宇宙平和のために、危険な星に行くことになった夫妻を描いている。

それなりにシリアスな立ち上がりだったが、だんだん当初のシリアスさが薄れていく感じが良い。最後にはしっかりオチをつけていて笑った。

シュールな笑いとでも言えばいいだろうか。浦沢氏の作品イメージになかった作風なので、コンスタントに描いてもらえるとファンとしては嬉しい。

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