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たかが黄昏れがおすすめの人
- 男が絶滅して女だけの世界という設定に興味がある人
- 花沢健吾の描く独特な世界観が好き
- SFファンタジーでもディテールにはこだわる人
女だけの世界を描いているファンタジー作品。花沢氏の画力も高いことから、女の子も可愛らしく設定から面白いと思った。花沢健吾ファンなら、読んでみるべきだろう。
そんな女だけの世界には、細かな設定がいくつもある。男についての話がタブー視されていたり、どうやって女だけが生まれてくるのか。また、男はなぜ絶滅したのか。という具合。
序盤から設定解説を含めた世界観は見えるのだけど、謎そのものは深まるばかり。男女がいる世界に我々読者は生きているので、空想ファンタジーであれ興味を持たされる。
「たかが黄昏れ」のストーリー
©たかが黄昏れ 小学館
主人公・ひなたは女子高生。ひなたはゼロ世代と言われる「男」が絶滅した年に生まれた子。男を見たこともなければ知らないため、男をタブー視する社会に疑問抱いている。
名残として銭湯やトイレが2つに分けられているが、なぜ2つなのかわからない女子もいる。男がいない世界における、女たちの社会はどうなっているのか不明なまま物語は動き始める。
「女性だけの世界」という男性向け漫画には珍しいテイスト
少女向けの漫画などではあるらしいが、男性向けの作品で本作のような設定は珍しい。実際、私はアラフォーになって初めて「女だけしかいない世界」という設定に触れた気がする。
厳密に言えば、どこかで見たかもしれないが。記憶の中を探ったが、やはり本作は珍しく思う。特に私は男性なので、男が絶滅という設定がすでにショッキング。
なぜ男は絶滅したの?女だけでどうやって繁殖するの?男の話をしちゃダメってどういう意味?などなど。1巻から疑問を与えてくるので、あっという間に作品のファンとなった。
徴兵制など男女の世界だと絶対に男の役割なのだけど。女の世界なので女性がいかなくちゃダメだったり。「男がいなくなったらこうなるのか」という想起のさせ方もリアリティがある。
男性がいた頃の名残というディテールに引き込まれる
以前呟いたスペリオールで連載してる「たかが黄昏」5話の興味深いシーン
男がいない世界に生まれ育ち、立ちションすらしらない女の子
独特の世界観、おしっこネタもまたあるかもしれないと今後も楽しみにしてる作品なのです pic.twitter.com/EMHS5699OZ— 黄金水好きー@し~むす20 B-08 (@girlspeelover45) November 3, 2018
銭湯もトイレも2つに分かれていて、「女だけの世界になぜ?」と思わされる。それが男性のいた頃の名残で、当たり前のように存在しているわけなのだが。
意味もなく「昔からこうだったから」と置いてあるところなんかは、ちゃんとディテールにこだわりを見せてくれてるなと感激。
女だけの世界を描こうとするあまり、風呂やトイレをさらりと1つにしてしまうと何だか寂しいし(笑)立っておしっこをする話など、男のことを話すシーンがあるが、こういう細かさが良い。
逆に女がいない世界を描けば、「女ってこうやっておしっこするんだって」と座る描写になるだろう。読者が空想される側の性(男)の方が楽しめる部分じゃないかな。
1巻は物語の導入に過ぎない
ちなみに、2020年10月現在で1巻しか発売されていないため、まだ私も導入部分を読んだのみ。そのため、まだ評価としては普通に面白いとしか言えない。今後の展開で変わるかもしれないが。
このレビュー記事だけだと、男は本当に絶滅した?どうやって女は生まれてる?なぜ男の話もタブー?という謎しか残らないはず。
ただ、1巻を読み終えるとなんとなく世界観の片鱗が分かるというか。疑問の答えとなるパーツが小出しされ、「これが退屈な作品になるわけがない!」という期待に変わる。
私の予想だと政治的な動きの中で、事件とかがあったんじゃないかなと考えたり。続刊を読んで、感想が変わるようならまた追加したい。