出典:Amazon
「ただ離婚してないだけ」がおすすめの人
- タイトルから想像できない展開を期待
- ドロドロした話が読みたい
- クズ人間の登場を歓迎
ツタヤで見かけた際に、「これは面白そうだ」とジャケ借りした。タイトルからは、離婚していない冷え切った夫婦関係が描かれているのかなと思ったのだけど・・。
展開は想像していなかった方向に進み、いい意味で期待を裏切られて楽しめた。ただ、期待される内容との開きが大きすぎたのか、打ち切りになったのか。5巻完結というのは寂しい。
それでも面白みのある作品だったのでご紹介。一部レビューで、詐欺タイトルなんて言われているが、結果的に面白ければいいじゃないか。
「ただ離婚してないだけ」のストーリー
©ただ離婚してないだけ 白泉社
結婚して7年目になる冷え切った夫婦。夫・正隆と妻・雪映は形だけの夫婦生活を送っていた。正隆は同時に萌(17歳)と不倫をしており、妊娠させ中絶に向かうことに。
しかし、家庭内別居し問題に向き合ってこなかった正隆は、雪映との関係修復に動き出す。同時に、萌との関係にも終わりを告げる。萌は激怒し正隆の元へ押しかけるも・・。
ありがちなドラマ展開の立ち上がりだが、ここから非日常的なドロドロ事件へとストーリーは動き出す。1巻からスピーディーに展開されるので、ダラダラ感がなく読みやすい。
タイトル詐欺と言われても仕方がないが、展開的には面白い
最近「ただ離婚してないだけ」を四巻まで買って読んだんだけど、本当に凄いと思った
タイトル詐欺ってレビューあったけどそうじゃない
本当にこの主人公は「ただ離婚してないだけ」なんだよ
それを描けるの凄まじいと思う。無価値が突破すると恍惚になるんだな— 梶本レイカ@最終巻自主制作中 (@kajimoto_reika) October 25, 2019
まず離婚していない冷え切った関係を描いている漫画にはならない。どちらかというと、夫婦がとある事件をきっかけに協力していく物語である。
この協力については、必ずしも夫婦としてあるべき話でもないところがポイント。事件のことであったり、秘密の共有であったり。
お互いにポジティブな繋がりではないのだけど、とにかく夫婦としての形をキープせざるを得なくなっていく流れが奇抜で印象に残った。
「ただ離婚していないだけ」のタイトルからは想像できない内容になっていくため、タイトル詐欺と言われることがあるのは仕方がないだろう。
ただし、個人的には期待を裏切ってくれる流れが用意されてあったので、いい方向に物語が作られていると思う。
アマゾンでは低レビューも目立つが、気にしなくていい範囲だ。
登場人物のクズ加減も良い
正隆がまずクズ人間である。不倫相手を妊娠、中絶させて捨てる。調子よく妻との関係を戻そうとする。
同時に、ストーリーの肝となる人物たちも、なかなかのクズっぷりで、悪いことが起こったとしてもそれはそれで、自業自得感があったりもする。
人間、みんな自分第一に考えて当たり前ではあるのだけど、この「自分第一」すぎる人間たちの集まりが本作には多いのだ。
序盤は「正隆はクズで酷いなw」と思いながら読んでいたが、読み終えてみると誰が1番クズかと言われると悩ましい(笑)
ドロドロしている人間関係の中から見えてくる生々しい部分は、非日常的な作品であろうとも人の本質が詰まっているのでは無いだろうか。
1巻を読後、すぐに次が気になった作品。連載中だったので待たされたが、完結しているので一気読みできる未読の方が羨ましい。