加害者への”復讐”はこいつらに任せろ『善悪の屑』の拷問処刑がガチでやばい!

ストーリー、ジャンル

「カモメ古書店」はどこにでもありそうな小さな古書店。本作の主人公・鴨ノ目武(通称カモ)と相棒の島田虎信(通称トラ)が運営している。しかしそれは表の顔で、裏では「復讐屋」として法律の裁きから逃れた加害者を、被害者に代わって成敗する復讐代行業を請け負っていた。

カモとトラ自身も過去に被害者たちと同じ苦しみを受けており、作中でも少しずつ過去に触れられていく。復讐の内容は残虐性を強く描写しているが、そこにあるのは「被害者の無念を晴らす」という名目がある。そのため読者側も後味が悪くならずスッキリする部分もある。

登場する犯罪者たちは、まさに「クズ」の代表格のような人間ばかり。カモにはカモの、トラにはトラの復讐ポリシーがあり、処刑に対する意見が分かれる事もあるがどちらにしても復讐は決行するストーリー。アウトローな人間たちに法律は無い。独自の「正義」を掲げて今日も復讐に向かう。

アノ実在事件がモチーフ!?のうのうと生きる加害者に下される罰

出てくる犯罪事件は実在事件に沿っていると思われる。私は凶悪事件のニュースはそこそこ知っているので読んでいてすぐにわかった。「光市母子殺害事件」「女子高生コンクリート殺人事件」「尼崎事件」「世田谷一家殺人事件」「池袋脱法ハーブ暴走事故」など、内容が完全一致していなくとも類似性が強い事は安易に想像できる

そしてこの事件を知らない人が読むと、本当に似たような凶悪事件があったのかさえ信じられないと感じるだろう。これらの事件は、犯行当時の年齢が未成年だった事や、法の視点では裁けないなど実際に被害者が涙を飲んできたケースだ。

法律は一体だれを守るために存在するのかという議論にも繋がるがここでは省かせて頂く。

そういった「誰がどうにも裁けない問題」をカモとトラは協力して復讐代行する。金銭を受け取り仕事としてやってはいるが、時には「子供のお小遣い3ヵ月分」で請け負うなど彼らが被害者感情に寄り添ってやっている事だけは確かだと確認できた

「被害者の感情が報われない」という理由で復讐するのは違法だが、クズにはクズをぶつけるしかないのが現状であるという冷たい事実を表現しているようにも思う。

さらに特筆すべきはその復讐方法だ。初回から飛ばし過ぎともいえる復讐内容は、かなりの残虐性がある。声が出ないようにノドをかっ切ったり、性犯罪者のアレをごっそり切り取ったり。さらにこの先もあるが、書きにくい処刑がひたすら用意されている怖さを楽しみにして欲しい

アウトローな人間たちのアウトな復讐劇を読みたい人向け。

復讐は「善」か、それとも「悪」なのか

本作の良いところは、とにかく屑という屑がフルボッコされて行くところにある。何の罪も無い被害者を殺しておいて、タダでは済まないという事を漫画の世界だからこそ実行して懲らしめる。「日本司法の現状は加害者に甘すぎる」と考えたり、ネットで加害者叩きのコメントをして怒る人ほど読むとスッキリするストーリーだ

「死んだ人間はあなたが復讐する事を望んでいない」というセリフを聞く事もあるが、キレイ事では解消されない想いが被害者遺族を突き動かすのだろう。「善悪」というのは立場によって変わる概念だという事が象徴された作品。

それにしても復讐心に取りつかれた被害者の表情は迫真的で、鬼が宿っているとさえ思えてしまう。作者の画力もかなりプラス材料となって本作を盛り上げているのは言うまでもない。

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