育児をナメんな!東村アキコをナメんな!『ママはテンパリスト』

ストーリー、ジャンル

育児エッセイの最高峰とも言える作品。漫画家の東村アキコ氏が、自身の子育て経験をネタにしているギャグ系作品。29歳で出産後、漫画家として仕事と育児を両立させた軌跡がここにある。

東村氏の育児のてんぱりっぷりはもちろん面白いが、子供のごっちゃんがまた面白い。子育て中の方は去ることながら、育児と無縁の人でも楽しく読める。東村氏の知らないところで、ごっちゃんが悪さをするのだが内容が可愛いので癒されながら笑える。

“育児をナメていた”からこそ面白い

初巻から早々にこんなフレーズがある。おそらく東村氏の魂の叫びだろう。

「すいません 育児ナメてました」

私は何となくこれの意味がわかる。私は結婚してない、子供もいない、彼女もいない(聞いてないか・・)状態の男だ。何となく子供が出来る=幸せの始まりみたいに思っている節がある。そんな幸せな時間の始まりは、苦労はあれど楽しいに決まっているという決めつけに他ならない。

私には年の離れた弟がいるが、小学校3年で生まれた。色々と大変だったのを覚えている。もちろん私が育てるのではない。親が大変そうだったという話だ。当然のように泣きわめくし、夜中に動き始めるし。子供なので、昼間だけは楽しく一緒に過ごしたけれどいわば美味しいところだけ一緒にいたわけである。子育ては大変なのだ。

さて、そんな育児の話だが東村氏の想像を超えていたのは息子の”ごっちゃん”がとにかくヤンチャだったという事。何もかも予想の斜め上を行くので、突然のトラブルにいつも東村氏がテンパリスト状態にならざるを得ない

漫画の流れは、日常の中でごっちゃんがいたずらしたり、ママである東村氏に発言したりする行動観察記のようにもなっている。漫画なので多少の脚色はあるかもしれないが、それでも実話ベースなので”何となくありそう”というポイントをとにかく読者は突かれる事になる。

1話のページ数は、4~6Pと一般的な漫画より少ない。この少なさがテンポよく心地いい物になっており、オチをつけるのにも役立っている。東村氏の作風からしても、ドタバタコメディ調になるのなら、望んでいるところなのだろう。

余計な回り道をせず、読者に分かりやすくギャグを提供する至高の育児エッセイとして評価している。

こんな人にオススメ

兎にも角にも育児に関心のある方は楽しめる。東村氏の息子”ごっちゃん”もすでに読める年頃になっているはずだ。彼も楽しめているのかはわからないが・・。私は自分の幼少期の話を親にされるのは嫌だと思うが(笑)それだけ子供というのは得体の知れない動物性を秘めているとも言える。

人間も生まれた時はお猿さんと一緒で本能に従ってる。ごっちゃんも恥ずかしがる事はなく、そういうものだと思って読んでくれているといいなと願う。東村氏も最高の仕事をしてくれており、私はこの作品から彼女のファンになった。

男性に取っては「妊婦」という存在も遠い世界の話なので、最初は妊婦東村アキコ氏の出産シーンから笑えてしまうかもしれない。これが結婚して自分の奥さんなら、笑っていたら怒られるだろうな・・。

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