天才ジョッキー×天才調教師の黄金配合!『スピーディワンダー』

ストーリー、ジャンル

父の夢と牧場を引き継いだ娘・朝宮真黄、主人公ジョッキー・講神、調教師・湯上谷の物語り。

講神の騎乗センスは抜群で、負ければ即引退のスーパーキングオーを見事に勝たせてしまう。さらに天才ジョッキー×天才調教師のコンビ結成で真黄をバックアップする事が決まる。そんなサポートもあって、地方から中央へ移籍するスーパーキングオーは注目を浴びる事に。

テンポの良い構想が練られており、絵も上手いため読み心地のいい競馬マンガに仕上がっている。馬の対決はもちろん、人間同士の駆け引きもレース内外問わず描かれており楽しみどころは満載。

“負ければ即引退”だった馬の復活劇

競馬漫画における絵の上手さで言うと、本作がいちばんなのではないかと私は思っている。アクの無い爽やかなタッチが、馬の疾走感や迫力を入れる場面で役立っている。競馬漫画は馬を綺麗に描くべきだと思うが、誰もが描き切れるわけではない事は競馬漫画の歴史が語っている。

見どころはやはり競馬のレースシーン。競馬漫画に限らずライバルとの力の差は作品において重要で、なんとかやってくれそうな気がするスーパーキングオーの力量はバランス的に良い仕上がり。「ダートだから走らなかった」とか「芝で距離適性が合えば走る可能性も」など未知の可能性を読者に想像させる運びは上手い

そしてライバル馬は圧倒的な強さを誇るという図式を完成させている。レヴォルズの雰囲気は本作でも異質な馬だという事は見ればわかる。威風堂々という言葉があるが、まさにその通りの風格。レヴォルズとスーパーキングオーの初対決なんかも絶対的に印象に残る見せ場を作っていた。皐月賞、ダービー馬VS地方出身馬というのは激熱。

さらにレースシーンには無駄がない。道中の必要な所を丁寧に描きながら、無駄に先延ばしするような部分は上手く取り除いている。多少ではあるがレース中に馬が輝いたりする事もあるが、漫画という作品の範囲で許せるレベル。脚色されながらもリアルを追求したい気持ちはしっかり届くのでご安心を

追々にスーパーキングオー以外の馬も出てくるので楽しみは増すばかりだ。

こんな人にオススメ

地方ダートを走っていて引退間際の馬と聞くと、競馬ファンならほとんどの人がもう駄目だと思うところだろう。実際に中央芝が花形で、ダートは二軍扱いされている風潮もある。地方ならなおさらだ。しかし、そんな地方から夢を託せる馬が出た時ワクワクする人もいる

読者の方で、リアル競馬ファンの世代によっては「期待してみた地方馬」は違うと思うが、本作を読めば誰もがまずはスーパーキングオーのファンになる。ディープインパクトやオルフェーブルなど絶対的強さを持つ馬もいれば、負けながらもドラマを巻き起こすオグリキャップなど個性派がいる。そんなドラマが本作にも詰まっている

スピーディーワンダーという作品にもまた、競馬漫画として立派なファンがついてくれるように思えてならない。

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