思春期女子に対する父親の接し方はこれで正解?『千と万』

ストーリー、ジャンル

父子家庭で起こる日常を描いた漫画。父・千広と中学1年生の娘・詩万それぞれの文字から取った漫画タイトル。

思春期の娘というところがポイントで、父親との関係の難しさなどにフォーカスしながら描写されている。詩万は可愛らしく、彼女の言動を見ているだけで癒される場面もある。娘を持つ父親の気持ちはわからないが、子供のいない男性読者なら「こんな娘がいたらいいな」と思わされる内容。

作者の経歴もすごい。成人向けの漫画を描いているようで、ウィキペディアに掲載されている。特に使い分ける必要が無いのか、ペンネームはそのまま。「千と万」でファンになった読者は、著者の他作品に手をつける人もいるかもしれない。

「思春期の娘」への関わり方に困惑する父親

中学生というのは難しい年頃だと思う。特に異性親との関係は。本作はいきなり詩万の初潮から展開されるのだけど、私も男性ながら色々とこの年ごろを思い出してしまった。私は親には絶対に言いたくなかったが、女の子はそういう点では羨ましくも思う。生理ネタは2巻現在で定期的に入って来るので、こういった話が好きな方はどうぞ(?)

例えば手伝いを出来なかった時に「生理でお腹が痛い」と父親に訴える娘は反則だと男ながらに思った。ごく普通の父親なら”ぐぅの音もでない”というやつだ。こう書くと、「ずる賢い詩万ちゃん」と思われそうだが、素直な普通の女の子。読んでいて、良い娘だなぁ~とほのぼのしてくる。

私は結婚もしていないが、異性の子供が出来たと妄想してみると、詩万のような子がいたらたぶん甘やかし放題にしてしまうと思うのだ。昔から、異性の子供は親にすれば恋人みたいなモノと言われてきたが感覚的に理解できる部分がある。というか、詩万が可愛いというのはあるだろう(笑)

また父のデリカシーの無さとか、詩万のワガママなどが目についてしまう人もいるかもしれないが、そこが良いという感想を私は持っている。キッチリとした感が無い漫画というか、心理描写も適度な「雑」を感じる。日常を描くのは「どれだけ雑」を描けるかという持論も持っているため、その雑さがある本作は良作に思える

中学生女子の「ゆるい日常」を読みたい人向け

娘持ちの父親の層にはウケるかと。失礼ながら「ウチの娘はこんなに可愛くないぞw」という意見が飛ぶかもしれない。しかしそれくらい可愛いので男性にはオススメ。女性から見ると「甘い戯言いってんじゃねーw」くらいの感覚だと思うが。実際に、こんな可愛い女子中学生は自分の中学時代にいた記憶が無い。

父親の気持ちの複雑さも面白い。テレビ番組で、「下ネタに笑う詩万」を見て複雑な気持ちになっている千広の気持ちはわかるなぁ。意味が分からないというのも困るが、どこかまだ知らないでいて欲しかったという気持ちもあるのだろう。

そして多角的な視点を採用している構図も面白い。父の視点、娘の視点はもちろん、もともと作者の技術レベルが高いので実現されている。ちょっとこの角度からの絵は画力が無いと見れないよね的な位置からの描写もあるのは気に入った。総合的に「女子中学生」を読みたい人向け!

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