別れ話のあとに後悔しないために読んでおけ『サヨナラフラグ』

ストーリー、ジャンル

タイトルの”サヨナラ”は別れをテーマにしている意味合い。ジャンルは恋愛。男女間はもちろん、友人同士の別れも描かれている。また別れそうになる手前、いわゆる”フラグ“が立った状態なども収録されたオムニバス形式の全7話短編集。

収録作品は「あなたがかえるまえに」「サヨナラフラグ」「share」「えだまめパテ」「SUNDAY BAKE SHOP」「忘れな傘」「だまってスミちゃん」となっている。

切ないストーリーはアラサー世代の女性に突き刺さる。女性向けの雑誌フィール・ヤングで連載されていたが、偶然手に取った私のような男性にも読みやすいタッチで描かれている。

「別れる前に話し合いをしよう」と考えさせられる

人間お互いに思ってるだけじゃ伝わらない。何か不満があれば言わないと何もわからない。お互いが分かっているようで実はひとつも分かっていない事なんて山ほどある。そんなごく当たり前の真理を本作は訴えているように思う。多くは女性の気持ちに沿ったテーマなのだけど、男性の私も思い当たる節はあるので最後まで楽しんだ。

彼氏に対して愛想を尽かした彼女が、「この人は何もわかっていない」という話があるのだけど、実際は彼氏も彼女のそっけなさに気がついていた。なんというか、皮肉な物でお互いが早い段階で話し合うなりして軌道修正すればまた違った結果になるなんて良くある事だと思う

この作品に登場する話の全てが同じようなストーリーではないが、私の中に強く「思った事は伝えるべき」と残るのは私自身が他者と気持ちを交錯させる事を恐れるからであろう。こうやってネットでは文章を書いたり気持ちを吐き出したりするけれど、よくよく考えるとリアルの場では思った事は伏せている。

そういった自分が嫌でもあるし、楽でもあるし。でも現状はそれでよくなると思っていないので、この作品に登場する人たちに自分を重ねたのかもしれない。恋人であれ友人であれ、それなりに関われば関わった分だけ相手の良いところ悪いところが見える。

そして何かひと言を言いたくなった時に、「言える相手」か「言えない相手」かでその先の関係にも影響が出てくる。「この人とは関わるのがめんどくさい」と思い始める前に、そのフラグを良い意味でへし折れるような生き方をしたいものだ。

こんな人にオススメ

女性は共感するポイントが多いように思う。色んなタイプの人が出てきて、特にアラサー世代の人には分かるのではないかと。男性は男性で考えさせられる話もあるので、特に性別を選んで読む必要もない。私は男性だがすんなり楽しめた。

ある程度テーマを絞って描かれているが、人によっては何か掴みどころが無い感覚で終わるかもしれない。私は本作に出てくるキャラクターの気持ちと重なるけれど、まるで別の人生を送っている人もいるわけだ。言いたい事をある程度言えている人なんかは、登場キャラにイラつく事もあるかもしれない。

学習する意味で読むなら恋愛中の男性はターゲットになるかも。ちょっとした事で彼女を怒らせてしまう人などは、読んでみる事で発見するものがあるかもしれない。

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