野球

「ROOKIES」落ちこぼれを救う教師は必要。たとえウザい熱血でもw

ルーキーズ

出典:Amazon

ルーキーズがおすすめの人

  • クサいことも平気で言う熱血教師が大好き
  • 不良たちが更生していく過程が好き
  • 仲間との絆を大事にした作品が読みたい

まさか真面目に野球をここまで描くとは。失礼ながら、連載が始まった当初は「森田まさのり作品だから、がっつりケンカが見られそうだぞ」という期待しかなかった。

それが、正統派の野球漫画として成立してしまったのだから言葉が出ない。不良たちのケンカや暴力シーンは描きつつも、落ちこぼれた人間たちの救済も大事にする流れがとても好きだ

「熱血教師は時代に合わない」と私は思いつつも、必要とする人や場所には本作の主人公・川藤のような存在が求められていると思う。私も不良ではないが、落ちこぼれなのでよりそう思うのかもしれない。

「ROOKIES」のストーリー

新任教師・川藤幸一は、二子玉川学園高校に赴任してきた。しかし野球部は部員の起こした不祥事で活動停止。不良のたまり場となっており、遊びに明け暮れる部員しかいない。

そんな部員たちに対して、「不良だから」と見捨てるのではなく、しっかりと向き合う川藤。不良たちは川藤を信用していなかったが、関係を深める中で心を開いていく。

少しずつ更生していく不良たちとの関係性が良い

川藤が少しずつ不良と絆を深めていき、本来の野球部に戻していく過程がとても良い。不良たちの考えていることや、内面的な問題に向き合うことで、まっとうな道に戻そうとする姿勢が川藤にはある

これはリアル社会でも言えることで、本当に根っからのワルとして落ちこぼれている人間は少ないことを裏付けている。

挫折だったり、やりたいことも見つからずダラダラしていたり。みんな最初から厄介者になろうと思っているわけではない。川藤はこういった人物との関係性を重視し続け、丁寧に向き合っている。

更生していく仲間への嫉妬心から、頑なに川藤を拒絶する人物も出るけど、このキャラたちの心情表現が上手かった。仲間同士のギスギス感を入れることで、一筋縄ではいかない更生ドラマになっているのも面白い。

国語教師であることもあり、川藤の放つ名言は心を打つものがあった。

純度100%の熱血教師ぶりが良い

©ROOKIES 集英社

私が川藤をどう見ているかと言われると、純度100%の熱血教師になる。とにかく純粋な男で、1にも2にも相手を信じることから始める教師。

「絶対それ騙されてるって分かる」という話でも、生徒が言ったことをまず信じる。不良自身も「誰が俺らのことを信じるかよ」という姿勢なので、信用されることに戸惑っている。

漫画的な意味で、信用する描写を描いていることは分かりつつも・・。「こういう先生がいたら絶対についていく」と思わせる人間味が大好きになった。

生徒を信用せず、不良のレッテルを張ってくる教師たちもいるのだけど、逆に川藤が教員にキレる展開もあり体を張って守っていることにしびれる。自身の立場を投げ売ってでも守ってくれる存在はまずいない。

ちなみに、川藤は話が進むにつれて、他校の教師や生徒とも関わりができる。ここでもまた、純度100%ぶり全開でやってくれる。教師としてのぶれない姿勢が素晴らしい。

軽々しく言いたかないけど、やっぱ「泣ける」漫画だよね

「泣ける漫画」って安易に言いたくないのだけど、本作はやっぱり泣ける。なぜ泣けると言いたくないのかというと、安っぽい感想に見られる可能性もあるからだ。私の表現力の問題でもあるけど(汗)

森田氏の絵は、各キャラの表情を描くのも上手い。キャラの心が動いているのが分かるシーンが出てくると込み上げる物が・・。

軽いネタばれとして序盤の、野球メンバーがやっとの思いで集まった時かな。盛り上げ方として、森田氏の演出がにくい。あ~思い出しても泣ける!

ROOKIES 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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