お金が使えなくなった!?転落人生ギャグコメ『オケラのつばさ』

ストーリー、ジャンル

親の遺産で生活に困らない、顔も良いから女にモテる。そんな人生を謳歌していた主人公・桶川翼はバイク事故で瀕死の重傷、生死の狭間をさまよう事に・・・。しかし偶然にもその場に居合わせた神様に命に救われた。それも、ある条件との交換で。

この神様は神様でも「貧乏神」だった。桶川は命を助けてもらう代わりに”お金を使う事ができない状態”となってしまう。せっかくの親の遺産も使えずタダの無職となった桶川。何とか窮地を脱出しようと、女に助けを求めるがどうにもならなくなってしまう。以後、桶川は転落人生を歩む事になる。

作者・のりつけ雅春氏によるギャグコメディ漫画。

お金が無くなって転落するかどうかは「アナタ次第」

色々とツッコミどころが満載。ラストに近づくに連れて、ドラゴンボールのパロディなどが色濃く現れてしまうのだけど、本作の絵ならあまり違和感なく受け入れられる。簡単に言うと模倣が上手いのだ。といっても、主にパロっているのはスーパーサイヤ人くらい。そこにキレのあるギャグ、安心して読める画力というコラボなので圧巻の仕上がり。

「貧乏神」はいつもフルスロットルなので、だいたい出てきたら笑える。そのため落ち着く暇をもらえない。この貧乏神と桶川の組み合わせで序盤は進むのだけど、彼らに止まらずどんどん新キャラも投入される。中村などは最後まで活躍するが、「性欲」に負けてしまう人間性や何とも言えないだらしなさが妙にリアルで面白い

「お金を使えなくなった」という物語りなので、終始「どうするんだ俺たちは!」という悲壮感があった・・序盤だけ(笑)

気がつけば、それもどうでもよくなりかけていたりする。「何とかやっていくしかない」という気持ちになっていたり、お金の無い環境を受け入れていったり。「無いなら無いなりの考え」にシフトする人間の適応性までも狙っているのかわからないが描かれている。

ギャグの質やパターンは、下ネタ中心に組み立てられている。力技というか・・いや力技だろう(笑) ネタばれするので書けないが、気がついた時には下ネタに頼り切っている。良い意味で、下ネタ無しでは成立しない漫画だろう。もちろん、それを含めて私は評価している。

お金の大切さは最後に考える

終始ギャグなのに、最後はしっかり締めている。金持ちな桶川が序盤と終盤では完全に別人になっているのが分かる。この作品を読んで悟った様な事を言っていいのかは疑問だが、「お金は人を変えるが、そのお金で変わった人を変える事ができるのは人なのだ」という思いを抱いた。

その理由に民宿のおじいさんの存在がある。経営に苦しみながらも桶川を救うのだけど、このおじいさんが凄くイイ人。桶川の考え方が間違いとは言わないが、お金に支配されていた彼を最終的にはこのおじいさんがいたからこそ、ハッピーに変われる物があったのではないかと思う。

「お金は使っても使われるな」みたいな言葉があるが、まさにその状態に飲み込まれた桶川に手を差し出したと言える話。馬鹿な事のオンパレードなようで、このように深いい話も混ざった作品だ。

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