天才と○○は紙一重!?心を失った存在『脳男』の正体とは?

ストーリー、ジャンル

連続爆破事件の容疑で逮捕された鈴木一郎は精神鑑定にかけられる。そんな鈴木の鑑定を担当した精神科医の鷲谷真梨子は、彼が「心を持たない感情なき脳男」だと知る事に。淡々と質問に受け答えする彼は何者なのか。

鷲谷は「本当に鈴木には、一切の感情が無いのか」と疑問を持ち真実を探ろうと動き始める。そこから導き出された「脳男」の正体、そして過去に何があったのかが明らかになる。

本作は1巻完結の短編作となっている。原作は小説で発売されており、人気を博し映画化もして注目されたミステリー作品。

脳男は天才なのか悪魔なのか

序盤の脳男は謎に包まれている。脳男とは、簡単に説明すると「天才」にカテゴライズされる存在だ。

パズルのピースをいとも簡単に数分で組み合わしたり、人々の骨格を記憶する事で集団の中から探し人を見つけ出す事ができるなど、まさに素晴らしい脳を持った「天才」と言える。

その精密性はまるでロボットかの如く。そして一切のミスをする事無く任務完遂をしていく脳男。言われたとおりに、きっちりと。しかし彼には一つだけ欠点がある。

「感情が無い」

正確には感情が育まれなかった。ストーリーの肝に触れていくに連れて、この脳男の過去にあった出来事が露呈してくる事になる。そこには、天才として生まれたにも関わらず、その能力を活かしきる環境が無かった話へと通じて行く。

つまり、本来なら「天才」として世に名を馳せたであろう男が、悪魔にでもなるかのような道へ進まざるを得ない事情があったという事だ。人が行動を起こす裏には動機、きっかけがある。「天才」と認められながらも、決して良い方向に導いてもらえなかった悲しみが作中に溢れかえる。

こんな人におすすめ

テンポの良い仕上がりは間違いない。物語りの序盤で、耳を引きちぎった描写が入ったり、爆破の影響で人が死んでしまうシーンがある。他サイトでも書かれてあると思うが、角度によっては「グロい」と言われるかもしれない。ただ、私からすると「グロい」とは言い切れないレベルだった。

理由は作者の絵に対するタッチや、全体の雰囲気がそこに集中しないように作られているからだ。グロに関した心配は不要で、女性も普通に読めるだろう。

爆破に関する事件を扱っているが、この作品は「脳男」の人物像や過去の出来事にスポットを当てている。1人の人間として「犯罪者」を知っていく流れが好きな人には相性が良い。

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