闇金ビジネスのヤクザ”桐生保”の追い込みがエグイ『無間地獄』

ストーリー、ジャンル

冷酷な闇金業者であるヤクザ・桐生と、巧みな話術で女性を騙しエステ勧誘していた主人公・玉城の物語り。勤め先の社長に嵌められる形で借金の肩代わりをさせられた玉城を追いこむ桐生のやり方はえげつない。

「鬼の取り立て」という次元を超えており、命の危険を感じた玉城は逃走する。リッチな世界から転落した玉城は絶句する日常を送る羽目に・・・。

極道・ヤクザ系の商売風景を見せながら、目も向けられないような残虐な描写が入っている。小指の切り落とし、拷問などはお約束。女性が無理やりに犯されるなど酷いシーンも。玉城は起死回生なるか。それとも・・。

闇金という裏社会ビジネスを描き切ったストーリー。原作は小説だが、上手く漫画にしておりヤクザの威圧感、迫真の形相は読後も忘れられない物となる。

桐生と玉城の金の引っ張り方

あまりにもキツイというか・・。1話目で登場する「追い込まれた債務者」が、逃げる為にマンションから落ちて死んでしまうという展開に引き込まれてしまった。桐生のヤバさを直感的に感じたオッサンが思考回路を失ってのとっさの判断。裏目に出て転落死というのはショッキング。「追い込んで金を奪う」それが桐生スタイルだ

そんな桐生とは真逆に玉城という主人公の存在が面白い。エステサロンの勧誘をやっていたのだけど、営業成績は抜群で数多の女性を色恋で落として入会させていた。自ら望んでお金を出してくる女性は全てモノ扱い。利用できるところは全て利用していくという徹底ぶりには、嫌悪する人も多いのではないだろうか。

桐生と違って「感謝されながら金を引っ張り出す」というスタイルを玉城は持っている。女性にモテながら、それがお金に変わるというのは嫉妬してしまう。そんな玉城を上司である社長が借金の肩代わりに嵌めるのだけど、ここまでは「玉城ざまあww」みたいな感覚で読んでいた部分もある。

しかしどうだろう。玉城が罠にハマり追い込みを掛けられ始めてからは「もう許してやれよ」という感想しかなくなった。玉城も女性を騙してきたけれど、桐生からの仕打ちを受けているのを見るといたたまれなくて・・。愛車、家、持ちモノなど全て売られて0からのスタートになる切なさたるや。挙句の果てに監禁されたりキツイ展開に。

どん底の玉城にもチャンスは用意されていて、過去に騙した女性が助けてくれたりと展開がどんどん転がるので面白い。美人から不細工まで幅広い女性が玉城に「愛」を与えるのだけど、結果的にどういった結末を迎えるのかは読んでのお楽しみ。ちなみに、それなりにエッチな雰囲気は出ているので男性読者にはありがたい作画。

こんな人にオススメ

闇金やヤクザの世界観が好きな人にはイチ押し。この手の作品は、いかに人間を雑に扱うかというのが重要となるが、それが出来ているので問題は無い。「えげつない」といわれる作品が好きな人はとりあえず読んでみた方が良い。

ただの暴力に任せた作品で終わらないところも良かった。ラストには桐生がなぜこれほどまでに玉城を追いこむのか?という理由なども加わってカオスな展開が待ち受けている。読者はぜひとも桐生、玉城の両方の立場になって読んで頂ければと思う。伏線から回収までの矛盾もなかった良作である。

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