非モテ男子は心を掻き乱されるので気をつけろ!『モテキ』最高!

ストーリー、ジャンル

恋愛に対してヘタレで、女性に苦手意識を持つ主人公・藤本幸也(29歳)は派遣社員。夢も希望もなくモテた経験もなかった彼は、ある日突然知り合いの女性から次々と連絡が入るようになる

これまでの人生で、女性が集中的に連絡をくれた事が無かった藤本は「モテ期」がやってきたと思い込む。しかし、いざ女性と交遊を重ねると自分に対する自信の無さや、恋愛経験不足からおいてけぼりをくらうことに・・。藤本自身にある問題や、女性との過去の話を今と繋ぎながらストーリーは展開されていく。

本作は、女性作者が描いているが妙に男心を理解している。「モテない男」の心理を掴めている作者の視点は、多くの男性から共感を得た事で話題にもなった。女性も男性の考えている事を知る良いきっかけになるだろう。

男女が真剣にぶつかる場面もあれば、おふざけもあるラブコメ要素があったりと抜群のバランスで描かれている。

自信に満ちた女性は輝いているが、そこに苦手を感じる非モテ男の心理

 

藤本はモテ経験がない。そのため、彼が今ひとつ自信を持てないまま登場する女性と関わっていくのは仕方が無い。とにかくどの女の子も魅力的で、男性読者の場合「俺ならこいつと付き合いたい」と想いを馳せたくなるレベルの美系女子が現れるのだ。久保ミツロウ氏の描く女の子は本当に可愛い。男子を射抜いている。

そして、恋愛に対し経験豊富な子もいれば、藤本と同じようにあまり恋愛に縁の無かった子なども登場するが、彼女らはみんな自分を持っている。藤本が何かと異性に引け目を感じてしまう気持ちが、私も藤本タイプなのでよく理解できる。同じ人間だが、自信を持った人で特に異性は何か違う人種のように感じているのだろう

ただし、誰でも「わかるわ~」と共感できるかというとそうでも無い部分もある。それは本作は基本的に、どの人物もそれなりの恋愛環境とコミットしているという事。ここに温度差を感じる人は本当に感じてしまう。元々、異性との間に繋がりを持てそうな過去があったかどうかは大きい。藤本にも恋人がいた経験はあるのだ。

藤本を「非モテ」として扱う難しさ

藤本には恋愛経験こそ少ないけれど、全く出会いの無い人からしてみれば、十分に打席に入ってバットも振れているのだ。そういう意味での温度差は、作者と読者の間にあったと私は思う。私はこの温度差を、都会的恋愛観と田舎的恋愛観と勝手に呼んでいる

本作は都会的恋愛観で描かれており、貞操観などはメディアを通して作り上げられたモノに感じるような描写も多くあった。田舎人や少し古い人だと、もう少し保守的な貞操観を持つので、乱れた若者たちに見える事もあるだろう。「ヤれる」とか「ヤれない」とかの話は生々しいがそういう事だ。

と言いながらも、私も古い人間。上記のような違和感を感じてはいたのだ。ただし漫画の内容は最近の若者像にしっかりマッチしており、登場キャラとも私は世代が近いためか共感できたしラストまでガッツリ読み込めた。

私が藤本の環境に嫉妬しているのだろう。”モテ”の機会は、人生に3度というが・・。藤本が羨ましい。

こんな人にオススメ

私自身の恋愛観で語ると、本作を楽しめるかどうかは世代年齢にあると思っている。いわゆる独身層だったり、アラサーと言われる思春期はとうに超えているような人たち。

恋愛そのものにトキメキを感じる事は少なくなりながらも、決して恋愛や結婚を諦めていない感じの人たちだ。年齢的には20代の男女に薦めたい

10代の子はちょっと早すぎると思うし、30代になると「こういう事もあったな」と感じるだけで終わるかもしれない。藤本を筆頭に20代のキャラたちで組み立てたストーリーなので当然といえば当然なのだろう。

あとは地味かもしれないが、作中にリアル感を求める人にも薦めたい。「細かいな」と思ったのは、藤本の体型が変動するというシーン。確かに人間なので太るし痩せるけど、「ちょっと駄目な時期」とか「イケてる時期」を体型という描写で読者に伝えるのも面白い発想だ

久保ミツロウ氏に限らず、こういう細かい表現ができる作者は評価したい。

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